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炊事を終え、星宮は不死川と食事を共にする中で
「お前…割と何でも作れるんだな、」
不死川が作った食事に箸を付けながら、そう告げる。
「まァな、普段は隠に任せてるけどよォ…ある程度は作れる…って感じだなァ」
星宮はそう話す不死川をじっと見つめた後、ふたたび口を開いて
「お前は…あれだな、いつでも嫁にいけるな。」
「何で俺が嫁に行く側なんだァ…、嫁に行くのはお前だろォがァ…。」
そう言って不死川が少し呆れた視線を向ける中
星宮は不死川に作ってもらった、だし巻き卵に箸を通しながら
「前にも言ったが…、私は嫁に行かないぞ。お前みたいに、炊事が出来る訳でもないしな。」
そう言ってだし巻き卵を口へと運んだ後、
「味…濃い。お前、腕落ちたな。」
不死川の方へと視線を向けながら、淡々とした口調でそう告げる。不死川はそんな星宮に対して、
「テメェがさっき、味付け濃くしたンだろうがァ…」
若干苛立った様子でそう返した後、何故か一旦箸を止め
「…………、」
何か考え込むような素振りを見せたかと思えば、星宮の方へと静かに視線を移し
「…来ねェの、」
そう一言、呟くようにして告げる。対する星宮は、言葉の意味が分かっていない様子で
「何の話だ…?」
不思議そうな表情を浮かべていると、不死川は咄嗟に口を開いて
「いや…なんでもねェ、」
そう告げると同時に、ふたたび箸を付け始める。不死川は食事を口へと運びながら
「(さすがに…気ィ早すぎるかァ…、)」
密かにそんな事を思う中、星宮は不死川が作っただし巻き卵を頬張りながら
「(私も…コイツに、何か作ってやりたいな…。誰かに…教えてもらうか…、)」
「(誰がいいんだ…?炊事…得意そうな奴____)」
***
後日、星宮はとある屋敷を訪れ
そこから勢いよく戸を開け、出迎えてくれたのは
「一華ちゃーん!!お久しぶりですー!!お姉さんは久々に一華ちゃんに会えて嬉しいです!!今日も可愛いですね!!」
宇髄の嫁の一人である須磨が出てきたかと思うと、勢いよく星宮へと抱きつき
「須磨…、寄るな…暑苦しい。」
星宮が若干の抵抗を見せる中、須磨に続いてまきをと雛鶴が星宮を出迎える。
「須磨!!そんなにべたべたするもんじゃないよ、一華ちゃん困ってるだろ…早く離れな!!」
「一華ちゃん、いらっしゃい。ゆっくりしていってね、」
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よっしー(プロフ) - はじめまして!実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました!面白かったです!どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます!久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2023年7月27日 0時