ページ ページ22
＊＊＊
それから数週間後、不死川は星宮との合同任務を終え
帰路へと着く道中、夜空を見上げる星宮の姿が目に入ると
「なァ、戻る前に…行きてェ所あるンだけどよォ、いいかァ___」
そう告げた後、不死川は星宮をとある場所へと連れて行く。
そこは以前、星宮と共に訪れた事がある場所で
「さっきの場所から近かったしよォ…久々に、また此処でお前と星見てェなって…、」
そう言って無数の星々が煌めく夜空を、不死川が眺める中
星宮は夜空を見上げる前に、不死川の方へと視線を移し
「(やっぱり…コイツは、優しい奴だな…。)」
自身を思っての不死川の行動に温かい気持ちを抱きながら、夜空を見上げ
隣で星を眺める不死川の指先にそっと触れながら、星宮は静かに口を開き
「前に…私は、お前に対する気持ちは…まだ曖昧かもしれない…って、そう…言っただろ。」
「でも…ここ最近、お前の事ばかり…考えるようになって…。お前の事、想うと…胸が高鳴るし…顔とか、熱くなって…変な感じになるけど…、」
「でも…凄く幸せな気持ちにもなって、…お前の事もっと、知りたいって思うし……触れたい…っても思う…。」
星宮はそう言って、自身の手を不死川の手に絡めてゆく。
不死川はそんな星宮に、視線を向けながら
「それは…俺の事、一人の男として見てる…って意味で捉えていいのかァ…、」
そう尋ねると星宮は小さく頷いた後、改まった様子で
「…実弥の事が…、好き…だ…。___」
僅かな熱を帯びた、その瞳と顔を不死川へと向ける。
不死川はそんな星宮を自身のもとへと引き寄せ、
触れる程度に唇を重ねた後、一旦その唇を離し、星宮を見つめながら
「俺も…一華が好きだァ、___」
そう告げて、星宮を抱き寄せながら、唇を重ねてゆく。
それから二人は唇を離し、静かに見つめ合ったかと思えば
互いに惹かれるようにして、ふたたび唇を重ね合わせ
回数を重ねるごとに、その口付けが深くなっていくと
不死川は微かに震える、星宮の伏せた睫毛を見つめながら
「(そろそろ…止めにしねェと…、だよなァ…。)」
名残惜しそうに、抱き寄せた身体とその唇を離す。
「……戻るぞォ、」
そう一言告げながら、不死川は星宮の手を優しく取り
互いの冷め切らない熱を感じながら、緩やかな風が吹く夜道を歩き続けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 239人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よっしー(プロフ) - はじめまして！実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました！面白かったです！どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます！久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (
レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雫 | 作成日時：2023年7月27日 0時
