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食事処へと辿り着き、四人掛けの席へと案内されると
不死川は甘露寺と話す星宮に気を遣い、宇髄に隣に来るようにと声を掛ける。
宇髄は不死川の隣に腰を掛けながらも、不死川に対して
「俺は席なんて何処でもいいけどよ、お前…本当は___」
宇髄がそう言いかけた時だった。星宮が宇髄のもとへ近付いてきたかと思うと、
「おい…席代われ。お前は私と一番遠い対角線上に行け、正面は蜜璃がいい。」
圧を放ちながらそう告げる星宮を目にし、宇髄は軽くため息をついた後
「分かった分かった…今、代わるからそう怒るな。」
苦笑を浮かべながら席を立ち、星宮は不死川の隣へと腰をかける。そして、不死川に視線を向けて
「お前…宇髄の隣が良かったのか。さっき自分から声掛けてたろ、」
「いや…そんな事ねェ、お前こそ…甘露寺の隣じゃなくて良かったのかァ、」
そう尋ねると、星宮は少し間を置いた後で口を開き
「お前…変に気遣うな。私は最初から、お前の隣に座る予定だった。だから気にしなくていい。」
その言葉を聞いて、不死川が何処か嬉しそうな様子で「…そうかァ、」と返答する中
星宮は気を遣う不死川に対して、何か思う所があるのか、少し考え込むような様子をみせていた。
それから注文を取り、食事を待つ間…不死川は三人と何気ない会話をしていると
ふと…手に何か触れた感触があったかと思えば、不死川の手の上には星宮の手が重ねられており
「(コイツ…無意識かァ…?他の奴にも…同じ事、してねェだろうなァ…。)」
そんな不安を抱きながら、星宮を横目で見ていると
目が合ったかと思えば、星宮は一瞬照れくさそうな笑みを浮かべた後
すぐさま視線を落とし、重ねたその手をきゅっと握る。
「…!」
不死川は星宮の行動が意図的であった事に気がつくと、
思わずそっぽを向き、緩んだ口元を片手で隠しながら
下に置かれていた自身の手を上へと移動させ、
自身より小さい星宮の手を、包み込むようにして優しく握る。
お互い気恥ずかしそうな表情を浮かべ、端を向き合う中
それを目にした甘露寺は、一人盛り上がっている様子で
「(きゃ〜!!一華ちゃんも不死川さんも、よく分からないけど照れてるのね…初々しいわ!!)」
一方、宇髄はにやにやとした笑みを浮かべながら
「(コイツら見てると中々面白いな…これから定期的に揶揄いにでも行くか…。)」
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よっしー(プロフ) - はじめまして!実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました!面白かったです!どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます!久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2023年7月27日 0時