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その後、任務を控えている事を告げ、風屋敷へと向かう。
本当はアイツを屋敷まで送ってやりたかったが、
任務に向かう支度の関係で、それが出来ず
送っていけない事を謝り、一人で戻れるかと尋ねると
不服そうな顔を浮かべたアイツに『子供扱いするな』と怒られた。
「(別に…子供扱いしたつもりじゃねェンだけどなァ…。)」
日も落ち始め、そろそろ辺りも暗くなる中
女一人を出歩かせるのは、気が引ける……ましてや、好きな女だ。
「(コイツは…確かに強ェけど……でもなァ…、…屋敷にいる隠にでも頼んで、送ってもらうかァ…？)」
そんな事を思いながら、頭を悩ませていると
突如『屈め』と言われ、思わず顔が引き攣る。
先程、アイツに対して…嫌味な態度を取ってしまった事もあり
「(気ィ…悪くさせたよなァ……まァ、殴られても…仕方ねェかァ…。___)」
そんな事を思いながら、アイツと目線を合わせて屈み
『こうかァ、』と尋ねる前に、唇に何かが触れた感触があり
目の前には…アイツの顔があって、俺の頬をそっと撫でる。
「(はァ…、…？)」
理解が追いつかず、しばらく固まっていると
いつの間にか、先程まで目の前にいたアイツの姿は消えており
それと同時に…ようやく理解が追いつき、その場にずるずるとしゃがみ込む。
「(アイツ…どういうつもりだァ…？ついさっきまで…そんな、素振り…全くなかったよなァ…、…？)」
終始、頭に疑問が浮かびながらも
完全に脈がないと、先程まで思っていた俺からすれば
少しは…期待をしてもいいのだと、そう思ってしまった。
____その日の夜は、いつも通り…鬼の頸を斬り落としながらも、
それ以外の場面では、アイツの事しか頭になくて
「(早く…会いてェなァ…、…。)」
先程、会ったばかりだというのにも関わらず、
夜空に浮かぶ月を眺めながら、そんな事を思ってしまう。
先程の件も含め、今日アイツと過ごした中で
アイツに対する気持ちを再認識すると同時に、
俺が…アイツを、幸せにしてやりたいという欲が湧いた。
「(誰かを…幸せになんて、出来るような人間じゃねェってのになァ……。)」
鬼の返り血で染まった、自身の日輪刀へと視線を落としながら…ふと、そんな事を思う。
「(そうで…あったとしても…、俺は…____)」
アイツと共に…幸せに生きる未来を、願わずにはいられなかった。
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よっしー(プロフ) - はじめまして！実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました！面白かったです！どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます！久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (
レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2023年7月27日 0時
