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「____鳴柱様、また派手にやってくれたな…。」
その後、到着した隠によって現場の事後処理が行われ、
現場は荒れに荒れ、四方八方に雷が落ちたかのような被害を思わせる。
「まァでも、あの人…仕事はめちゃくちゃ早いよな。鬼殺隊の中で、最速じゃないか?」
「だな。その分、俺らの処理は時間かかるけど…」
隠たちがそんな会話をしていると、とある人物の叱責するような声が聞こえ
「…西條様、現場に煙草の吸い殻を捨てるなと…あれ程言っていますよね?何ですか、これは。目逸らさないで下さい、西條様。」
そこには西條と隠である後藤の姿があった。西條は悪びれる様子もなく、
「あー…そんな事より、後藤。今度、また飲みに行こう、奢るからさ。」
懐から煙草を取り出し、煙を吐き出しながらそう告げる。後藤はそんな西條に対して、
「話、聞いてます?西條様。それと…いい加減、煙草は辞めた方がよろしいのでは。身体に障りますよ、」
後藤がそう告げると、西條は少し何かを考えた後
「これだけは…辞められそうにないな。」
そう言って、後藤に背を向け
「あとは頼んだ。それと…後で予定空いてる日教えてくれ。飲みに行くのは決定事項だからな、___」
煙草の煙を辺りに漂わせながら、ふらっとその場を後にした。
後藤はそんな西條に対し、軽くため息をついた後
少し離れたところに佇んでいた不死川の存在に気づき、
「不死川様、任務ご苦労様です。お怪我はございませんか、」
そう尋ねと、不死川は「…あァ」と一言だけ呟き
その場から動く様子はなく、何かを考えるようにして、ただ一点を見つめていた。
気を遣った後藤がその場を立ち去ろうとすると、不死川は静かに口を開いて
「…なァ、前任の風柱は…どんな奴だったァ。」
不意にそんな質問を投げかけられ、後藤は目を丸くしながらも
「前任の風柱様は…、気性の荒い人でしたけど…実力は確かなもので、誰よりも自信に満ち溢れていましたよ。」
「一度やると決めたら、最後までやり通す…そんな芯の強さも兼ね備えていて…あの人は最期まで、柱としての務めを果たしてくれていました。」
不死川は後藤の話を最後まで聞いた後、
「そうかァ…」と静かに呟き、その場から立ち去っていった。
不死川が去った後、後藤はふと思い出すかのようにして
「(そういえば…前任の風柱様も、よく煙草吸ってたよな…___)」
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作者名:雫 | 作成日時:2023年7月19日 18時