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不死川がそう告げる中、西條は淡々とした口調で



「今の実弥に…鬼を根絶やしにするのは無理だな。」



その言葉を聞き、不死川の身体がピクリと反応したかと思うと



「……あァ、?」



低い声でそう言い放つと同時に、突き刺すような視線を西條へと向ける。



西條は苛立つ不死川を目にしながらも、落ち着いた様子で



「あまり気を悪くしないで聞いてくれ。冷静に…客観的に見て、そう思うってだけの話だ。」



「実弥は…技の威力は申し分ない。けど、速度は少し劣る…まァでも、それは鍛えれば何とでもなるから別にいいんだが…、問題なのは___」



西條はそう言って、少し間を置いた後



真っ直ぐな瞳で不死川を捉え、ふたたび口を開く。



「実弥、君のその剣に…迷いがある事。」



「君は今、何を考えてる。鬼を斬ることに、集中していない、呼吸にも乱れが見える。それに…何より、___」



「君から鳴る荒んだその音、全く持って惹かれない。」



はっきりとそう告げる西條に対し、不死川は怪訝な表情を浮かべ



「はァ…?音だァ、…?何訳の分からねェ事、言ってやがる…」



「私は人より耳がいい。心音や呼吸音は勿論、…心理状態や思考だって、何となく読める。___」



西條はそう言った後、不死川のもとへと近づき、静かに口を開いて



「実弥が今、考えているのは…柱合会議で話していた、あの兄弟子の事だろ。」



「…………ッ…、…」



的を得たその指摘に、不死川は言い返す事が出来ず、思わず言葉を詰まらせる。



その後も、西條は話を続け



「彼が生きていれば…その席は彼だったかもしれない…、何故自分だけが生き残り『風柱』となったのか、…そんな疑念を抱えてないか。」



「それと同時に…、兄弟子を護れなかった事に対する、自責の念…悲しみ、行き場のない怒り…。そんな音が、君からはずっと鳴り響いている。」



「…………、…____」



西條がそう告げる中、不死川は視線を下へと落とし、ただ黙って話を聞くだけだった。



西條はそんな不死川を目にした後、深い溜息をついて



厳しい視線を不死川へと向けながら、



「そんな思い…背負って戦える程、柱は甘くない。」



「今のままだと…君は一年経たずして、死ぬだろうな。___」

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作者名: | 作成日時:2023年7月19日 18時

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