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その後、不死川と共に任務へと向かう西條だったが
「……ついてくンじゃねェ、鬼は俺一人で殺る。」
ズカズカと一人先へ突き進み、後からついてくる西條に対し、そんな言葉を投げかける。
西條はそんな不死川に対して、
「名前…実弥だっけ、いい名前だな。女の子みたいで、可愛___」
「殺すぞォ…テメェ…、それと…気安く下の名前で呼ぶンじゃねェ。」
張り詰めた空気を纏いながら、そう言い放つ不死川。
西條はそんな不死川に対し、口を閉ざしたかと思えば
「(カナエちゃんに貰った薬、あまり効かないな…今度、もっと強いの出して貰うか…。)」
不死川の様子を特に気にかける事なく、懐から煙草を取り出し
辺りに煙を撒き散らしながら、『殺』と荒々しく刻まれた羽織の文字を見つめていた。
しばらくして、目的地へと辿り着くと、西條は不死川に
「此処は鬼の数が多いから…手分けして片そう。私がこの辺りをやっておくから、実弥は向こうから___」
すると、そんな西條の言葉を遮るようにして、不死川が鞘から刀を抜き
「 風の呼吸、壱ノ型 塵旋風・削ぎ 」
西條の指示を聞く事なく、鋭い眼光で鬼を捉え、頸を斬り落として行く。
西條はそんな不死川を目にし、ため息をついて
「(まァいいか…頭痛いし…、全部任せよう…。)」
煙草を咥えたまま、一人突き進む不死川の後を追うようにして、奥へと進んでいった。
その後も、不死川は緑色に光る自身の日輪刀を振り翳し
「 風の呼吸、参ノ型 晴嵐風樹 」
屈強な刃で、鬼の頸を次々と切り落としていく。
西條はそんな不死川の姿に目を向けながら、
「(技の威力は申し分ない…、さすが…柱に選ばれるだけあるな…。)」
不死川の強さに感心の思いを抱きながらも、その表情は何処か険しい様子で
「(ただ…、遅いな…___)」
そんな事を思いながら、辺りに転がる鬼の頸を躊躇なく踏みつける。
それと同時に、咥えていた煙草を地面へと落とし
不死川が一通りその場の鬼の頸を斬り落とし、息が上がり始めたところで
「あとは、私がやっておく。下がっていい、」
西條がそう声を掛けると、不死川は振り返る事なく
「ふざけた事言ってンじゃねェ…、醜い鬼は…俺が全て根絶やしにする……邪魔すンなァ、___」
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作者名：雫 | 作成日時：2023年7月19日 18時
