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一方その頃、とある山奥では



「 風の呼吸、壱ノ型…塵旋風・削ぎ 」



周囲の鬼の頸を根刮ぎ斬り落とす、不死川の姿と



「いだァァ!!何なのコイツ!?もうやだァァ!!」



泣き喚きながらも、何とか鬼の頸を斬り落とす善逸の姿があった。



全ての鬼の頸を斬り終え、怪我を負った隊士たちが隠から応急処置を受ける中



「痛いよォ…これ、足折れてるよねェ?ねェッ!?」



そこでも一際騒がしい善逸の姿が、不死川の目に止まり



「(何なんだァ…アイツはよォ…、さっきから無駄に騒ぎやがってェ……。)」



苛立ちと呆れた視線を向けていると、



善逸の側に転がる、稲妻のような紋様が描かれた黄色の刀が目に入り



「(西條と同じ…雷の呼吸の使い手かァ、)』



「(そういえば…西條、少し前に『後継』が…みてェな話…してたよなァ…、)」



















今から数ヶ月前…当時、まだ耳が聞こえていた西條は



『後継』について、不死川に話を持ち掛けた事があり



『___後継だァ…?ンな事、考える必要ねェだろォ…お前ならまだ、しばらく刀握れるだろうがァ。』



そう話す不死川の横で、西條は煙草の箱を手に取り



『そうは言っても…私は今、二十四だ。もう歳だろ、…今はまだ動けても、今後どうなるか分からない。』



『それに…身体は酒と煙草で蝕まれてるしな。…正直、鬼に殺されるより、それが原因で死ぬ可能性の方が遥かに高い。』



西條はそう言いながらも、何食わぬ顔で煙草に火をつけ、辺りに煙を漂わせる。



不死川はその言葉を聞くと、西條が持っていた煙草の箱をすぐさま奪い取り、



『じゃあ…今すぐ酒も煙草も止めろォ……お前が死んだら、誰が鳴柱やるンだァ…?お前の代わりになる奴なんて、いる訳____』



不死川がそう言いかけた時だった。西條はすかさず口を開いたかと思うと、



『一つ、宛がある。』



『今季の最終選別で、雷の呼吸の剣士が一人生き残ったと聞いた。その剣士は…どうやら、壱ノ型しか使えないらしい。』



『まだ会った事はないが…、私はその剣士を後継にしようと考えている。』



そう話す西條に対して、不死川は怪訝な顔を向け



『はァ…?何言ってンだァ…?今すぐにでも考え直せェ…壱ノ型しか使えねェ奴が、柱になれる訳ねェだろォ』



『そうか…?その剣士は、壱ノ型だけで…あの過酷な最終選別を突破してきたんだ。なかなか見所ありそうだけどな、___』

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作者名: | 作成日時:2023年7月19日 18時

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