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「( 雷の呼吸、弐ノ型…稲魂 )」



西條は周囲の鬼の頸を一気に斬り落とした後、



懐から取り出した煙草を咥え、煙を撒き散らしながら、さらにその奥へと進んでいく。



「(十二鬼月は何処だ…?耳が聞こえていれば…、すぐに見つけられたんだがな…。)」



そんな事を思いながら進んでいると、ふと背後から異様な気配を感じ取り



「(いや…耳が聞こえなくても…、意外と分かるもんだな。___)」



刀を構え、力強く足を踏み込んだ後



「( 雷の呼吸、壱ノ型 霹靂一閃 )」



電光石火の如く、素早い攻撃を繰り出すが



「……遅ッ、」



妖しい笑みを浮かべる、鬼にその攻撃を交わされ



「(そこらの鬼よりは…勘がいいな。)」



そんな事を思いながら、一旦距離を取り、鬼へと視線を向ける。



『下弐』の文字が刻まれたその鬼の姿は、



十五、六程の年を思わせるような、少女のような姿をしており



西條を指差し、嘲笑いながら



「今の技、遅すぎない?見たところ…アンタ、柱でしょ?…その程度で柱って名乗れるんだァ…笑えるんだけど、」



西條にそんな鬼の言葉は届いていないものの、



「(何言ってるか分からないが…頭の悪そうな鬼だな…、)」



そんな事を思いながら、少し呆れた視線を向ける。



すると、その視線の意味に勘付いた鬼は、口を開いて



「ちょっと…何、その目?気に入らない…私の事、舐めてるでしょ?」



「アンタなんか…すぐ殺して、腹の底に収めてやるんだから…ッ____」



そう言って、下弦の鬼はビリビリと迸る稲妻のような血鬼術を次々と繰り出していく。



その間、西條は至って冷静で、



「(雷の血鬼術か…、珍しいな。)」



敢えて自ら攻撃は仕掛けず、鬼の攻撃をただただ交わしていく。



そんな西條に対して、下弦の鬼は馬鹿にするかのような口調で



「逃げてばっかり…アンタ、それでも柱…?」



「まァ…アンタより、私の方が素早いもんね。…私に手、出せる訳ないか。」



そう言って、畳み掛けるように下弦の鬼が攻撃を仕掛ける中



西條は攻撃を避け、辺りを見渡しながら



「(…ここらでいいか、)」



一旦、その場に立ち止まり、刀を構え足を踏み込む。



下弦の鬼は西條に目を向け、悟った様子で



「(あの構え…さっきと同じ攻撃ね…、私の方が素早いってのに…学者能力ないのかしら…?…馬鹿な女、)」

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作者名: | 作成日時:2023年7月19日 18時

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