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西條が受け取った薬を口へと含み、水で流し込む中
側にいた宇髄とカナエは、何やら話をしている様子で
「そういえば…今日は新しく柱になった奴も来るんだよな。確か名前は…___」
「『不死川実弥』くん、…風柱が就任するのは、二年ぶりね。」
「そうだな、どんな派手な奴が来るか…楽しみだなァ。」
西條はそんな二人の話に耳を傾けながら、
「(アイツが死んでから…もう二年経つのか…、__)」
ふとそんな事を思い、視線を下へと落とす。
それからしばらくして、産屋敷が柱の前へと顔を出し、会議が始まったかと思えば
「…産屋敷様よォ、____」
突然、荒々しい声が辺りに響いたかと思うと
新たに就任した風柱…不死川実弥が、産屋敷に対し、煽り口調で次々と怒りをぶつけていく。
そんな不死川に対し、他の柱たちが驚いた様子で目を向ける中
西條は苛立つ不死川を特に気にする様子もなく、
「(頭痛いな…早く…屋敷に戻って寝たいんだが、…)」
ズキズキとした頭の痛みを抱えながら、そんな事を思うばかりだった。
その後、産屋敷の言葉によって、不死川の怒りは収まったものの
不死川は会議後、柱数名に取り囲まれ、
産屋敷の前で無礼を働いた事について、説教を受けていた。
西條は少し離れたところから、そんな不死川を目にし、
「(少し可哀想だけど…私には関係ないしな…、早く屋敷戻って寝るか…___)」
そんな事を思いながら、その場を後にしようとすると
「…西條、少しいいか。」
岩柱、悲鳴嶼行冥に声をかけられ、その場に立ち止まる。悲鳴嶼は西條に対して、
「お館様から就任してまもない不死川に、少しの間…柱を一人付けて欲しいと頼まれた。」
「生憎、私は今の任務で手一杯でな…、西條に付いて欲しいんだが…頼めるか。」
西條はその話を聞き、苦々しい表情を浮かべながら
「天元か…カナエちゃんの方が適任かと。私、一人っ子だったので…年下の面倒みるのは苦手というか……」
そんな言い訳をしていると、宇髄とカナエがやって来て
「悪ィが…俺はこれから、長期任務控えてるからな。アイツの面倒はみてやれねェ、」
「美琴さん、ごめんなさいね…私も今、蝶屋敷の業務で手一杯で…。」
そんな二人の言葉を聞き、西條は断るにも断れない状況へと追い込まれ
「……分かり…ました、私が…彼の面倒見ます…。___」
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作者名:雫 | 作成日時:2023年7月19日 18時