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それから、アイツとは何かと一緒にいる事が多くなり



当初『柱になりたくない』と言っていたアイツは、私の階級が『甲』まで上がった事を知ると、



『お前…このままいけば柱になるよな……お前がなるなら、俺もなるか。』



『本家の思惑通りになるのは…気に食わねぇが…お前だけが柱になるってのも、気に食わねぇ。』



『何だそれ、君は私に柱になって欲しくないのか…?…意外と私に対して、対抗心あったんだな。』



そう告げると、アイツはきょとんとした顔で



『ねぇよ、お前より俺の方強いだろ。』



コイツは割と…自信家なところがある。まァ…事実ではあるから、否定はしないが…



すると、アイツは私に視線を向け、ふっと笑みを溢しながら



『お互い柱になれば…会う機会も多そうだしな、今後もお前に飯奢ってもらえるって訳。』



私はそんなアイツの言葉に、思わず目を見開き



『君が…私の事を、そこまで好いていたとはな…驚いた。』



そう告げると、アイツは咥えていた煙草を手に取って、私の顔を覗き込む。



そして、私の顔に煙草の煙をふーっと吹きかけ



『勝手に自惚れてろ、馬鹿女。』



むせる私を気に掛ける事なく、意地の悪い笑みを浮かべながらそう告げた。



その後…今まで散々手を抜き『癸』止まりだったアイツは



たったの一ヶ月で『甲』にまで上り詰め、下弦の鬼の頸を斬り落とした。



鬼殺隊に入隊してから、一年ほどの月日が経った頃



私たちは同時期に『鳴柱』『風柱』へと就任した。



柱になってからも、アイツとの交流は続き



この先…どんな事があっても、誰よりも逞しいアイツであれば



少なくとも私よりは長生きしてくれるだろうと…そう思っていたのに、











『___美琴、…お前なら…もう、大丈夫だろ…。』



『俺がいなくても…お前は…、ちゃんと…お前でいられる筈だ……だから…自分を、見失うんじゃねぇ…ぞ…___』











そう言い残して、アイツは死んだ。



『(何が、大丈夫だ…馬鹿野郎。)』



アイツの葬儀後、そんな事思いながら、咥えた煙草に火をつける。



久々に吸ったそれは、相変わらず口には合わず…気分は最悪でしかなかった。











____アイツが死んでから六年。



私はあの日から、アイツと同じ銘柄の煙草を吸い続け



『(アイツの言った通り…、直に慣れるもんだな。)』



宙へと舞う、煙草の煙にふと目を向けながら、



彼の亡骸に…今もなお、縋り続けている。

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作者名: | 作成日時:2023年7月19日 18時

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