検索窓
今日:40 hit、昨日:22 hit、合計:22,521 hit

17 ページ17

その後、鬼の頸を全て斬り落とし、



刀を鞘へと収めると、アイツがこちらへと近付き、私の顔をまじまじと眺めてくる。



私はそんなアイツに対して、



『悪かったな。君みたいな…美形じゃなく、変な顔で。そんなに物珍しそうに見ないでくれ、』



そう声を掛けると、アイツは不思議そうな表情を浮かべた後、



『あァ…?誰もお前の顔が変だなんて、言ってねぇよ。むしろお前、綺麗な面してる。俺の次に、』



『(コイツ…自分が美形だと自覚あるタイプか…、つくづく残念な奴だな…。)』



そんな事を思いながら、少し呆れた視線を向けていると、



『お前、もしかして…自分で気づいてないのか?』



『…何の話だ、…?』



不意にアイツから、そんな問いを投げかけられ、質問の意図が掴めずにいると、



アイツは近付いたかと思えば、耳元で呟くようにして



『 ____________ 』



確かに、はっきりとそう告げた。



『…え…、……』



思い掛けないその言葉に、思考が止まり



『(いや…そんな…筈は…、…___)』



私が困惑する中、アイツは特に気にしていない様子で



『まァ、別に…気にする程の事じゃないと思うけどな。じゃあ俺は先に戻るわ___』



そう告げて、煙草の煙を纏いながら、アイツはその場から去って行った。
















____そんな…アイツの言葉を受けてからというもの、



ここ最近の任務では、思うように剣が振るえず



『(あァ…気持ち悪い…、嫌な…音がする…___)』



戦場に立つ事が一時期、苦痛で仕方なかった。



それでも何とか剣を握り、鬼の頸を斬り落とすものの



『…ッ…、…____』



周囲に鳴り響く音の圧に耐えられず、一度だけその場に倒れ込んでしまった事があった。



その時、介抱してくれたのは…同じ任務を担当していたアイツで、



『____目、覚めたか。西條、』



横たわる私の側で、煙草をふかしながらそう声を掛ける。



辺りを見渡すと、そこはまるで…竜巻でも通り過ぎたかのような、被害を思わせ



『神代…あの鬼の数、君が一人で殺ったのか…?』



『あんなの余裕だ。まァでも…少し斬りすぎた…、…これで階級上がったら、お前のせいだからな。』



『……階級、上げたくないのか。』



そう尋ねると、アイツは静かに視線を落としながら



『あァ、普通に任務こなしていけば…すぐに階級上がって、柱になりかねない。』



『俺は…柱になるのは、ごめんだ。___』

18→←16



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
82人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2023年7月19日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。