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しばらくして駆けつけた隠によって、負傷者に応急処置が施される中
「あ…あの…、手当てをしたいのですが…。」
「………怪我してない。…どっか行け、」
「い…いや、でもどう見ても!!脚から血が…!!このままだと、余計に状態が悪く___」
星宮の怪我の状態を心配した隠が騒ぎ立てると、星宮は睨みを利かせて
「黙れ」
「(ヒ…ッ…!何、この子…!?怖すぎるんですけど…、)」
隠が星宮の圧に怯えていると、そのやり取りを目にした不死川が隠に対して
「オイ、悪いが…少し席外してもらえるか。コイツと話がある、」
そう言って、その場から隠を退出させる。不死川はその場に座り込む星宮に視線を落とし、
「率直に言う。…お前にあの呼吸は使えねェ、諦めろ。」
星宮を前にして、ハッキリとそう告げる。星宮は自身の拳を強く握りながら
「……嫌だ。私は…まだやれ___」
「無理だ。…お前には出来ねェ、絶対に。」
言葉を遮りながら頑なに否定し続ける不死川に、沸々と怒りが湧き上がる星宮。
顔を上げて不死川を睨もうとすると、不死川は既に星宮と目線を合わせるようにして、しゃがみ込んでいて
「…お前だって気づいてる筈だ、あの呼吸が使える日は一生こねェってよ。…それとも…お前の頭は花畑かァ?現実から目逸らして…、随分と能天気な___」
不死川がそう言いかけた所で、星宮は不死川の胸ぐらをぐっと掴み、突き刺すような視線を向けながら
「……お前…、何が言いたい。才能ない奴はさっさと辞めろとでも言いたいのか…?…私が何も出来ない無能だって、そう言いたいのか、?」
詰め寄る星宮に対して、不死川は少し黙った後、自身の手を星宮の額の前へと持ってきたかと思うと、
中指を内側に丸め、星宮の額を狙って勢いよく弾く。
「……痛…ッ…!!お前…いきなり何、____」
ばちんっと鈍い音が響き、星宮が額を抑える中、不死川は軽くため息をついた後で
「お前…本当に馬鹿なのかァ?誰も無能だなんて言ってねェ。…むしろお前は、才能の塊だ。」
不死川の意外な言葉に、目を見開く星宮。不死川は続けて、
「あの並外れた身体能力…、普通あり得ねェぞ。呼吸使わず鬼に挑んで、頸斬り落すなんてよォ…どうすればあそこまで鍛えられるか、こっちが教えて欲しいくらいだァ。」
「それと…あの肝の据わった戦い方…、他の奴らにも見習ってもらいてェよ、本当____」
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作者名:雫 | 作成日時:2023年6月12日 2時