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佐伯は身体中包帯を巻きながらも、至って元気な様子で
「星宮、お前ついさっき目覚めたってアオイさんから聞いたぞ。本当、三人共無事で良かったよな〜」
能天気な佐伯に対して、水瀬が軽く舌打ちをした後
「全然よくねェよ。…俺はお前らの倍の期間、療養しないといけないんだぞ……最悪だ、」
吐き捨てるようにして、愚痴を溢す水瀬。
すると、星宮は水瀬のベッドの前まで来たかと思うと、水瀬をじっと見つめて
「……何だよ、星宮。何か言いたい事でも、___」
水瀬が不機嫌そうな顔を向けて、そう言った時だった。
星宮は水瀬の首元へ手を回したかと思うと、勢いよく抱きつき
「……は…、…!?お前…っ…何して、____」
動揺する水瀬に対し、星宮は顔を伏せながら
「…死んだかと…思った…、…。」
ポツリとそう溢す星宮に、水瀬は少し驚いた様な表情を向けた後、
「これくらいで死ぬかよ、馬鹿。…___」
何事もなかったかのようにして、星宮にそう言い返した。
その後、星宮は何故か水瀬から離れる様子がなく、水瀬は戸惑った様子で
「…おい…お前…、いつまでこうしてんだ…早く離___」
そう言って、水瀬が星宮の顔に目を向けた時だった。
星宮はぐったりとした様子で、水瀬の肩にもたれ掛かっており
「…!?星宮、大丈夫か…?おい…っ、」
「え…星宮…もしかして…死ぬの!?…というか、もう死んで__」
「お前ふざけた事言ってんじゃねェ、コイツちゃんと息してるわ、阿保!!」
そう言って、苛立ちながら佐伯の頭を軽く殴る水瀬。
___とある一室から、そんな騒がしい声が聞こえる中
先程まで陰からその様子を目にしていた、不死川は背を向けて歩き出し
「(アイツ…、随分変わったなァ…。…呼吸も扱えて、仲間を思いやれる器もある…、)」
「(そろそろ…正式に迎えてやってもいい頃かもなァ、___)」
不死川がそんな事を思いながら廊下を歩いていると、慌てて誰かを探している様子のアオイとすれ違う。
不死川は咄嗟に口を開いて、
「…アイツなら奥の部屋で目回して倒れてる…介抱してやってくれェ」
「え…?あ…はい…っ、!…教えて下さって、ありがとうございます…!」
不死川の言葉を聞いて、アオイは星宮のことであるとすぐに察し、奥の部屋へと駆けていく。
不死川はアオイにそう告げた後、蝶屋敷を後にし、次の任務へと向かっていった。
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作者名:雫 | 作成日時:2023年6月12日 2時