検索窓
今日:96 hit、昨日:126 hit、合計:66,141 hit

35 ページ35

佐伯は身体中包帯を巻きながらも、至って元気な様子で



「星宮、お前ついさっき目覚めたってアオイさんから聞いたぞ。本当、三人共無事で良かったよな〜」



能天気な佐伯に対して、水瀬が軽く舌打ちをした後



「全然よくねェよ。…俺はお前らの倍の期間、療養しないといけないんだぞ……最悪だ、」



吐き捨てるようにして、愚痴を溢す水瀬。



すると、星宮は水瀬のベッドの前まで来たかと思うと、水瀬をじっと見つめて



「……何だよ、星宮。何か言いたい事でも、___」



水瀬が不機嫌そうな顔を向けて、そう言った時だった。



星宮は水瀬の首元へ手を回したかと思うと、勢いよく抱きつき



「……は…、…!?お前…っ…何して、____」



動揺する水瀬に対し、星宮は顔を伏せながら



「…死んだかと…思った…、…。」



ポツリとそう溢す星宮に、水瀬は少し驚いた様な表情を向けた後、



「これくらいで死ぬかよ、馬鹿。…___」



何事もなかったかのようにして、星宮にそう言い返した。



その後、星宮は何故か水瀬から離れる様子がなく、水瀬は戸惑った様子で



「…おい…お前…、いつまでこうしてんだ…早く離___」



そう言って、水瀬が星宮の顔に目を向けた時だった。



星宮はぐったりとした様子で、水瀬の肩にもたれ掛かっており



「…!?星宮、大丈夫か…?おい…っ、」



「え…星宮…もしかして…死ぬの!?…というか、もう死んで__」



「お前ふざけた事言ってんじゃねェ、コイツちゃんと息してるわ、阿保!!」



そう言って、苛立ちながら佐伯の頭を軽く殴る水瀬。



___とある一室から、そんな騒がしい声が聞こえる中



先程まで陰からその様子を目にしていた、不死川は背を向けて歩き出し



「(アイツ…、随分変わったなァ…。…呼吸も扱えて、仲間を思いやれる器もある…、)」



「(そろそろ…正式に迎えてやってもいい頃かもなァ、___)」



不死川がそんな事を思いながら廊下を歩いていると、慌てて誰かを探している様子のアオイとすれ違う。



不死川は咄嗟に口を開いて、



「…アイツなら奥の部屋で目回して倒れてる…介抱してやってくれェ」



「え…?あ…はい…っ、!…教えて下さって、ありがとうございます…!」



不死川の言葉を聞いて、アオイは星宮のことであるとすぐに察し、奥の部屋へと駆けていく。



不死川はアオイにそう告げた後、蝶屋敷を後にし、次の任務へと向かっていった。

36→←34



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (92 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
181人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2023年6月12日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。