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ふたたび鬼が斬撃や毒針を繰り出す中、星宮は刀を構えて



「風の呼吸、弐ノ型…爪々・科戸風」



鋭利な斬撃で鬼の攻撃へと対抗し、そのまま一気に攻め込んでいく。



しかし、無数に放たれる毒針の全ては避けようがなく、星宮の顔や腕に刺さった毒針が、じわじわと身体を侵す。



「どうだァ…?儂の毒は…そろそろ立っているのも難しいだろう…、…心配しなくとも…お前達鬼狩りは、儂が骨の髄まで…しっかり喰____」



「黙れ」



いつの間にか星宮は鬼のすぐ直前へと迫り、攻撃を仕掛ける両腕を切り落とした後、鬼の頸へ刃を通しながら



「…お前の毒は…この程度か?全く持って効かないんだが…、…まァ…それもそうか…」



「お前は…実力が劣り、十二鬼月から追い出された…欠陥品だからなァ、___」



不敵な笑みを浮かべながら、吐き捨てるようにしてそう言い放つ星宮に対して、



「き…貴様…、今何と…この儂に向かって…何と言ったァ!!」



「欠陥品、…要するに低脳、無能、出来損ない。いい加減、自覚持てバーカ」



星宮は鬼を煽りに煽る中、頭の中は冷静を保ちつつ



「(『風の呼吸』じゃ…今の私にはアイツ程の威力は出せない…、…かといってあの呼吸は…今この状態で、使いこなせるかどうか…、___)」



すると、怒りに狂った鬼がさらに攻撃を繰り出し、星宮は一旦距離を取り、攻撃を交わしていく。



その中で、星宮は鬼の攻撃が僅かに鈍った瞬間を見逃さず



「(一か八か…、…賭けてみるか、____)」



星宮は地面へと強く足を踏み込みながら、深く息を吸い込む。



風が吹き荒れると同時に、先程まで雲に隠れていた月が顔を出し、翡翠色の刀が光を帯びる。



場の空気が一変する中、星見は貫くような鋭い眼光で鬼の姿を捉え



「 翠の呼吸、壱ノ型 …____」



「 至極翠星 」



星宮は月を背に高く飛び、鬼の頭上を捉える。



煌びやかな光を纏った屈強な刃が、鬼の頸へと食い込んだかと思えば



刹那の如く頸を切り落とし、静かにその場へと着地をする。



…しかし、着地をした直後、星宮は刀を地面へと突き刺し、その場に膝をついてしまう。



「(………早く…アイツら…、何とかしないと…)」



顔を上げた視線の先には、倒れる水瀬と佐伯の姿。何とか立ちあがろうと、力を入れるが



「………ッ…、…___」



体力の限界を迎え、地面に倒れ込む星宮の姿を、月はただ、明るく照らすばかりだった。

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作者名: | 作成日時:2023年6月12日 2時

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