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鬼が血鬼術で星宮を狙い続ける中、彼女は攻撃の位置を的確に察知し、素早く避けていく。
そして、そのまま鬼の元へと突っ走って行き、刀を鬼の頸へと差し込むが、鬼が激しく抵抗。星宮は軽く舌打ちをしながら、
「…雑魚が、」
鬼の頸元から刀が離れた所で、星宮は脚を高くあげる。そして、鬼の顔面を狙ってそのまま地面に叩きつけようとしたその時、
「……！？…ッ…、…」
鬼に脚を掴まれたと同時に、鋭い爪が皮膚へと食い込む。地面にダラダラと血が滴る中であっても、彼女の瞳は諦めの色を見せず、
掴まれた脚に勢いよく体重を掛け、その勢いで鬼の身体を地面へと叩きつけて、かかとを落とす。
その後、突き刺すようにして鬼の頸へと刀を差し込み、頸を切り落とすが…、それと同時に足の怪我が酷い事もあってか、星宮はその場に膝をついてしまう。
するとそこへ、別の鬼たちを相手にしていた不死川が、頸を切り落とした後で駆けつけて
「お前…もう、下がってろ。その怪我じゃ使いモンにならねェ、」
吐き捨てるようにしてそう言いながらも、星宮を庇うようにして前へと立つ。そして、迫り来る鬼に鋭い視線を向けて、
「風の呼吸、 弐ノ型…爪々・科戸風」
獣の爪痕のような刃を放ち、辺りの鬼の頸を一気に切り落とす。そのまま鬼のもとへと、不死川が斬り込んでいく中
「……………、…____」
星宮はそんな不死川に目を向けながら、何か思い詰めたような顔をして、自身の拳をぎゅっと握る。
そして、刀を地面へと突き刺し、不安定な状態で立ち上がったかと思えば
深く息を吸い込みながら、周囲の鬼の姿を捉え
「星の呼吸、壱ノ型___」
「星河一天」
屈強な刃を瞬時に鬼の頸へと捩じ込むが、技の重圧に耐えられず、刀が弾かれ地面へと転がり落ちる。
「……ッ…、…！」
その衝撃で倒れ込んだ星宮に鬼の攻撃が迫る中、颯爽と強風が吹き荒れたと同時に
「風の呼吸、壱ノ型… 塵旋風・削ぎ」
地面を抉るような衝撃波を起こし、目にも止まらぬ速さで鬼に斬撃を浴びせてゆく。
その後は不死川の活躍によって、鬼の頸は全て切り落とされ、任務をやり遂げる事は出来たが
「(……また…出来なかった…、…___)」
星宮はその場に膝をついた状態で視線を落とし、噛み締めた下唇からは微かに血が滲んでいた。
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作者名：雫 | 作成日時：2023年6月12日 2時
