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一人の隊士がそう告げると、星宮は特に気にしていない様子で



「別に…いい、…もう呼吸使えるし。」



「え…、お前…呼吸使えるのか…!?良かったな…!ちなみに、何の呼吸使って___」



驚いた様子で隊士がそう聞き返すと、星宮は若干嫌そうな顔を向ける。



「お前、馴れ馴れしいぞ。…私はお前の友人でも何でもない。」



そっけなくそう告げる星宮に、隊士は少し困ったような顔をした後、口を開いて



「確かに…そうかもしれないけど…、俺たち今季の最終選別を生き延びた、たった三人の同期だろ。…あの選別で…沢山の奴等が倒れて行く中、一人立ち続けるお前見つけてさ…、」



「正直、凄ェと思ったよ…自分より体格のいい鬼に怯む事なく、挑み続けて…。…それと同時にそんなお前の実力を羨むような気持ちもあって…、…この前は本当に、悪かった。」



隊士は改めて星宮に謝った後、視線を斜め下へと落とし、少し言いづらそうにしながら



「俺としては…あの戦場を生き延びた同期で、仲間であるからこそ…大事にしていきたいって思うんだけど…__」



「…………、…。」



星宮はそんな隊士に静かに目を向け、少しの沈黙の後で



「お前…名前は?」



「え…、名前…?…『佐伯』…だけど、…というか俺…名前も覚えられてない感じなの…?同期なのに、?」



佐伯が肩を落として、ブツブツと独り言を話す中、星宮は口を開いて



「今、覚えたからいいだろ。…まァ、今後呼ぶ気はないが、」



そう告げて佐伯を置いて、歩き出す星宮。



佐伯は星宮のそんな言葉を聞き、少し嬉しそうな笑みを浮かべた後、星宮のもとへと駆け寄り



「それで…星宮は何の呼吸の使い手なんだ、?」



「寄るな愚図、どっか行け」



星宮はそんな言葉を吐き捨てながらも、



目を輝かせながら、しきりに話しかけて来る佐伯の圧に耐えられず



「…呼吸は…、今は『風の呼吸』使ってる…。…アイツに、教えてもらった…。」



「アイツ…って、もしかして風柱様の事か…?お前…柱に対してもその調子なんだな…。…でも凄いな、柱直々に教えてもらえるなんて…!」



二人が肩を並べながらそんな話をする一方で、



少し離れた所から何やら面白くない様子で、星宮と佐伯を眺めるもう一人の隊士。



「(佐伯の奴…、何でアイツと仲良くしてんだよ…あんな奴、ほっとけばいいのによ…、___)」



その隊士は舌打ちをした後、星宮たちに構う事なく、先へと進んでいった。

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作者名: | 作成日時:2023年6月12日 2時

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