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***



数時間後、任務を終えた不死川が屋敷へと帰宅。



廊下を歩いていると、星宮の自室の前から何やら騒がしい声が聞こえてきて、



「(…何だァ…、?…___)」



不思議に思った不死川が、襖を開けると



「離せッ、絶対切る…こんな髪、もう要らない…!!」



「星宮様…!落ち着いて下さい、髪は女性の命ですよ…!?どうか…、考え直して下さい…!!」



そこには鏡の前で刀を持ち、自らの髪を切り落とそうとする星宮と、それを必死に止める隠たちの姿があった。



「…何してんだァ、お前ら。」



状況が飲み込めない不死川が、呆れた顔を向けながらそう声を掛けると、隠の一人が不死川のもとへと駆け寄り



「不死川様…!実は…その…先程、宇髄様がいらして___」



隠の話によると、宇髄が星宮を送り届けに来た際に



『じゃあな、星宮。また任務一緒になったら、よろしくなァ』



『………、…。』



星宮は宇髄を無視して、屋敷の中へと上がろうとした時。



宇髄が何か思いついたような顔をしたかと思えば、笑みを浮かべながら



『今日の任務、お前が一番活躍してたから…アレだな、褒美やるよ、___』



そう言って、背を向ける星宮の腹部へするりと手を回し、自身の元へ引き寄せた後



少し前へとかがみ、艶やかな金色の髪の上に軽くキスを落とす。星宮は咄嗟に振り返り、



『は…、…!?…っ……お前…ッ……』



その後、宇髄は星宮からぱっと手を離したかと思えば、



『じゃあ…またなァ、___』



満足そうに笑顔を浮かべ、すぐにその場を去っていった。



「…という事がありまして…、星宮様は今…髪を切り落とすと聞かない状態でして…。」



その一部始終を目にしていた隠が、不死川にそう告げると



「(変な事するなって言っただろうがァ、…)」



不死川は宇髄に対してそんな事を思いながら、星宮のもとへと近づき、刀をひょいっと取り上げる。



そして、星宮に目を向けて



「宇髄の奴には俺からキツく注意しとくからよォ…馬鹿な真似すんじゃねェ。」



そう言った後で星宮の髪を一房、掬うようにして手に取り、



「それに…こんな綺麗な髪してんのによォ…、切るなんて勿体無ェだろうがァ…、」



星宮は静かに黙り込んだかと思えば、不死川に目を向けて、



「…注意じゃなくて、殴り殺せ」



吐き捨てるようにそう言い放った後、勢いよく襖を開け、



不機嫌そうな表情を浮かべながら、部屋を出ていった。

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作者名: | 作成日時:2023年6月12日 2時

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