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任務へと向かった宇髄と星宮は、目的地へと辿り着き、先に到着していた他の隊士たちとも合流。
多数の鬼が潜む闇夜に、隊士たちが剣を振う中、一際異彩を放つ人物が一人。
「散れ、雑魚共」
蹴る殴るの荒々しい攻撃を仕掛けながらも、常に頭は冷静で
的確に状況を判断し、鬼の攻撃を交わしながら刀を構え
「風の呼吸、肆ノ型…昇上砂塵嵐」
一瞬の隙も見逃さず、強靭な刃で鬼の頸を切り落としていく星宮。宇髄はそんな星宮に目を向けて、
「(へぇ…あの不死川が気に留めただけあって、派手な戦い方するじゃねェか…。…ただ、___)」
すると、星宮は付近にいた隊士の肩を勢いよく掴んで、後方へと押し出し
「…邪魔、引っ込んでろ。」
「……ッ、!?お前…いきなり何すんだよ…!!」
またある時は、負傷した隊士を気にかける事なく、隙をつくる為、わざと鬼を煽って攻撃を誘い込ませ、
「おい…!お前、そっち怪我人いるんだぞ!」
「知るか」
宇髄はそんな独りよがりな戦いを仕掛ける、星宮に対して
「(協調性、思いやりはゼロ…か…。どうしたモンかねェ…)」
すると、宇髄の視線に気がついた星宮は、舌打ちをしながら宇髄をきっと睨みつける。
「…こっち見んな、虫唾が走る。」
吐き捨てるようにしてそう告げた後、前方から迫り来る鬼へと目を向けて
「風の呼吸、弐ノ型 爪々・科____」
息を吸い込み、星宮が技を繰り出そうとした時だった。
「………、」
星宮は何故か一旦技を繰り出すのをやめて、鬼の攻撃を交わしながら、背後へと迫る。
そして、鬼の後頭部に蹴りを入れ、瞬時にその場から消えたかと思えば、
頭上から現れると同時に、深く息を吸い込み
「………、…______」
刹那の如く頸を切り落とし、音も立てずに地面へと着地する。
その際、一瞬だけではあったが、星宮の刀には今までには感じる事のなかった煌めきを見せ、
「……………。」
星宮は月の光を含んだ、翡翠色に輝く自身の刀をじっと見つめる。
そして、そのまま何かを考え込んでいると、
「…随分と派手な戦いっぷりだったなァ、星宮。」
背後から宇髄にそう声をかけられ、星宮は一瞬、宇髄に目を向けるが
すぐに視線を外し、無言でそのまま立ち去ろうとすると
「お前のその刀…、不死川のと似てはいるが…お前の刀の方が、宝石みてェな色してていいな。俺好みだ、___」
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作者名:雫 | 作成日時:2023年6月12日 2時