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そんな星宮の様子を目にした宇髄は、口を開いて
「お前、こんな色男と任務行けるってのに…何が不満なんだァ?ほら、来いよ。」
「………、」
宇髄は星宮にそう声をかけるが、星宮は不死川の背後に隠れ、宇髄を睨みつける。
そして、宇髄がこちらへと近づいて来ると、星宮は不死川の羽織の裾をぎゅっと握り、
「……!」
不死川はそんな星宮の行動に驚くと同時に、
「不死川、お前…嬉しそうだなァ。良かったな、」
「……………うるせェ、…。」
にやにやと笑みを浮かべる宇髄に対して、そっぽを向いてそう答える不死川。
一方、無自覚に裾を握り続ける星宮は、不死川と宇髄のやり取りを不思議そうに見ていると
いつの間にかすぐ側まで来ていた宇髄に、腕を取られ
「……っ!?…離せ…、触るな…ッ!!」
「まァ…でも、任務だからよ。コイツ、連れてくな。」
そう言って、激しく抵抗する星宮の腕を強引に引いていく。
不死川はそんな二人の様子を眺めながら、「オイ」と一言、宇髄に対して声をかけ
「ソイツに…変な事するなよォ、」
宇髄はそう告げる不死川に目を向けて、ふっと笑いながら
「お前…保護者かよ、……はいはい。何もしねェから、安心しろって、___」
そう言って、ひらひらと手を振りながら、星宮を連れて行く。
不死川がそんな二人の後ろ姿に目を向けていると、今方屋敷に到着した隠に声をかけられ、
「不死川様!任務のご準備を、手伝いに参りました。」
「……おう、今行くからよォ。」
不死川はそう言いつつも、宇髄と星宮の後ろ姿を眺めたまま動かず、
「気安く触るな、離せカス」
「お前…女がそんな口聞くな。…それと俺はカスじゃねェ。派手を司る神…祭りの神だ、覚えとけ。」
「……。(コイツ…マジで頭おかしい奴だ…、)」
星宮は宇髄に呆れて、言葉を失うと同時に
不死川の方へと振り返って、助けを求めるような視線を向ける。
「(そんな目でこっち見るなよなァ…、…)」
「あの…不死川様、そろそろご準備を…。」
隠がそう声をかけるが、不死川にはその声が届いていないのか、
星宮に目を向けたまま、その場から動かない。
「(なんか…アレだな、…愚図る子供を見守る親…みたいな構図だな…。)」
隠がそんな事を思っていると、あの二人がようやく立ち去ったところで、不死川が屋敷へと上がり
「アイツらも行ったし…、俺も任務行くとするかァ、___」
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作者名:雫 | 作成日時:2023年6月12日 2時