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(No side)
その後、星宮は甘露寺に連れられ、甘味処へと向かい
「___…って事があってね、私もう…キュンとしちゃって…！！伊黒さん…やっぱり素敵…っ！！」
「(相当好きなんだな…早く告白すればいいのに…。)」
息つく間もなく喋り続ける甘露寺の隣で、団子を頬張りながら、彼女の話に耳を傾けていた。
甘露寺は手元にあった団子を食べ切り、追加分を頼んだ後
ハッとした様子で星宮の方へと目を向けて、
「あ…私ばっかり話しちゃって…ごめんなさい…っ！！一華ちゃん、話しやすくてつい…」
そう言った後、星宮に対して穏やかな視線を向け、微笑みながら
「…たまには一華ちゃんの、そういう話も聞いてみたいなぁ…なんて…。一華ちゃんは、殿方にキュンとする事…ないかしら、？」
「(キュン…？)」
星宮は少し考えたような素振りを見せた後、甘露寺の方に目を向けて
きっぱり「無いな、」と返答。甘露寺はそんな星宮に対して、
「ないのっ！？えーっ！嘘…、あんなに素敵な殿方が沢山いるのに…！？キュンとしないなんて…勿体無いわ…！！」
「…じゃあ、よく一緒にいる不死川さんにもキュンとしないのかしら…？…というか、そもそも…一華ちゃんは不死川さんの事どう思ってるのか…、私、気になるわ！！」
そう言って顔を近づけ、興味津々な眼差しを星宮へと向ける甘露寺。
星宮はそんな甘露寺の圧にやや戸惑いながらも、少し考えた後で静かに口を開き、
「そうだな、…蜜璃が話しているような事とはまた違う気もするが…。…アイツは…すぐ怒るし口悪いし、苛つく事も沢山あるけど…」
「…人一倍、人の気持ちに敏感で…私が落ち込んでる時は、よく側に居てくれる…。アイツといると、心が温かくなって…安心する、…」
「でもアイツは…自分自身に対しては厳しい所があるから…、その分…私がアイツに優しくして、大事に出来たらなとは思う、____」
星宮がそこまで話し、甘露寺へと目を向けると
甘露寺は目を潤ませながら星宮の話を聞いており、
「…っ、…素敵だわ…っ…！不死川さん…こんなに師範思いの継子を持てるだなんて…私、今の話聞いてキュンとしちゃった…っ…、…！！」
感極まる甘露寺に対して、星宮は若干呆れた視線を向けた後、付け足すようにして
「……今言った事、…アイツには話すなよ。」
そう言って、手に持っていた団子を一口頬張った。
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作者名：雫 | 作成日時：2023年6月25日 9時
