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そして、星宮は不死川の手を振り払い、背を向けながら
「…お前にとって…私はその程度だったかもしれないが…、私は…お前が柱であったから、…師であったから、慕ってた訳じゃない。」
「『不死川実弥』…お前を、一人の人間として…慕っていた。てっきりお前も…私自身を見てくれていたような気がしたが…、…どうやら私の思い違いだったみたいだな。」
そう告げた後、星宮は下ろした拳を強く握りしめ
「………こんな思い…するくらいなら…、お前の継子になんて…ならなければ良かった…ッ…、…___」
吐き捨てるようにしてそう言い放った後、星宮は不死川の話を聞く様子もなく、歩き出し
「もう私に構うな、お前の顔など…見たくもない。__」
決して振り返る事なく、その場から立ち去っていった。
不死川は彼女の名を口に出し、呼び止めようとしたものの
「(今更…俺に何が言えるってンだァ…、…もう…遅ェだろォ…___)」
彼女を深く傷つけた罪悪感から、何も言い出す事が出来ず、ただその場に立ち尽くしていた。
***
(星宮side)
___翌朝、…その日の目覚めは最悪だった。
昨日、アイツに放った言葉が、頭の中に残り続け
「(何で…あんな酷い事、言ってしまったんだろう…__)」
そんな後悔を抱えながらも、いつも通り支度を進め、刀を腰へと携える。
「(任務まで…少し時間あるな…、適当に時間潰すか…。)」
そんな事を思いながら屋敷を後にし、ぶらぶらと辺りを歩いていると、
視界に入るだけで虫唾が走る、派手な奴の姿が目に入る。思わず背を向け、足早にその場を去ろうとしたが
「よォ、星宮。元気にしてるか、」
「宇髄……お前…いつの間に…、気配消して近づくの止めろ。殺すぞ、」
馴れ馴れしく声を掛ける宇髄を睨みつけ、そう言葉を返す。
「お前…相変わらず、俺の事嫌いだよな…俺、お前になんかしたか?何もしてねェだろ、」
「……この際ハッキリ言う、私はお前が生理的に無理だ。今もなお、精神的苦痛を味わってる。謝罪して欲しいくらいだ、」
そう告げると、宇髄は軽くため息をついた後、何やら意地の悪い笑みを浮かべ
「…謝罪…ねェ、そうだなァ…__」
そう言って、私の顔を覗き込んだかと思うと、指先で顎をくいっと持ち上げ
「キスしてやっから…それで許せ。ほら、早く目ェ瞑___」
「ぶち殺すぞ、さっさと離れろクソ野郎。」
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作者名:雫 | 作成日時:2023年6月25日 9時