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「(___…アイツ…、遅いな…。早く帰って来いって言ったのに…)」



任務を終えた星宮は、既に屋敷へと帰宅し、不死川の帰りを待っていた。



しかし、不死川は中々帰って来ず、思わず自室を出て玄関の方へと向かうと



「(なんだ…アイツ、もう帰って来てたのか…。)」



玄関へと腰を下ろし、腕を組みながら僅かに頭を揺らす、不死川の後ろ姿が目に入る。



星宮はそんな不死川のもとへと向かい、



「おい、こんな所で寝るな。…起きろ、まず靴脱げ。」



星宮がそう声を掛けると、その声に反応した不死川は、薄らと目を開け



「………。………おう…、…」



ぼんやりとした様子ではありながらも、靴を脱いで屋敷へと上がる。



しかし、急な眠気に襲われたのか、その場に膝をついて、うとうとした様子で頭を揺らし始める。



星宮は不死川に近づき、右頬を軽くぺちぺちと叩きながら



「寝るな…起きろ、せめて部屋までは自分で行け。」



そんな星宮の言葉を聞いて、不死川はゆっくりと目を開けると同時に



「………?…どうした、そんなに見て…。」



何故か星宮をじっと見つめており、少し間を置いた後、口を開いたかと思えば



「…………おはぎィ…、」



「は…?誰がおはぎだ。お前、相当寝ぼけてるな。」



星宮は呆れた顔を向けた後、先程まで不死川の頬を軽く叩いていた片手に、勢いをつけて



「目覚ませ、馬鹿」



躊躇する事なく、不死川の頬をばしっと叩く。



不死川は叩かれた勢いで、顔を下へと向けたかと思えば、



「…何してくれてんだァ…?テメェはよォ…、」



先程の衝撃で目を覚まし、顔を上げて、星宮を睨みつける。



対する星宮は、まったく悪びれる様子もなく



「目覚めたか、?寝るなら部屋に行くぞ。」



そう言って、不死川を部屋へと向かわせようとするが、



「………、…____」



不死川は星宮に視線を向けたまま、動く様子もなく、何かを考え込むようにして黙り込む。



「…どうした、まだ眠いのか?それなら、さっきの三割増しで殴っ___」



星宮がそこまで言いかけた時だった。不死川が被せるようにして口を開き



「 少し肩貸せェ、___」



そう言って、星宮の肩へと顔を埋めるようにして、もたれ掛かる。



「(何だ、コイツ…?そんなに眠いのか…?)」



不死川が星宮の肩に顔を埋め、思い詰めたような表情を浮かべる中、



星宮は不思議そうな表情で、ただ不死川を見つめるばかりだった。

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作者名: | 作成日時:2023年6月25日 9時

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