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不死川が到着すると同時に、辺りには不穏な空気が漂い



その事に逸早く気づいた善逸は、星宮と不死川を交互に眺めながら



「(…何…この空気…、この二人…仲悪いの…??)」



困惑した表情を浮かべていると、不死川が少しの沈黙の後で、重たい口を開く。



「………星宮、…お前どっちか一人連れて裏から回れェ…俺ァもう一人連れて、正面から行くからよォ」



「…………、」



星宮は不死川の指示を聞きながらも、目線を合わせる事もなければ、返事もせず



黙って善逸と伊之助の方へと目を向ける。



「(正直…どっち連れて行っても、面倒くさい奴だって事に変わりはないよな…、どっちでもいいか…。)」



そんな事を思っていると、善逸が星宮のもとへと駆け寄り



「はいッ!俺、絶対一華さんがいいですッ!あんな殺人鬼みたいな顔したとオッサンと一緒なんて、無理ッ!!一華さん!!お願いだから俺と…___」



泣きながら必死に懇願する善逸を目にし、星宮は呆れたような顔を向けた後



「…嘴平、行くぞ。___」



善逸に構う事なく、伊之助を引き連れ、その場から去っていく。



「…嫌だァァ、二人共待ってェェ!!一華さん…伊之助…俺、絶対このオッサンに殺されるって!!助けてェェ!!」



善逸が泣き叫ぶ中、不死川は若干苛立った様子で善逸に近づき、首根っこを掴みながら



「オイ…テメェ、いい加減黙らねェとその口切り落とすぞォ…早く来やがれェ…」



そう言って、強引に善逸を引き摺りながら、歩き出す不死川。



その際、不死川は一瞬、星宮の後ろ姿へと目を向けたが



「………、…____」



特に声を掛ける事もなく、すぐさま視線を戻して、善逸と共に任務へと向かった。











***



その後、星宮は伊之助と共に行動する中で、着実に鬼の頸を切り落としていき



「(鬼の気配が弱まってきたな…、あと数体ってところか…。)」



そんな事を思いながら、奥へと進んでいると



「……なァ…お前、アイツと仲悪ィのか。」



不意に伊之助から、そう声を掛けられる。



星宮はその問いかけに動じる事なく、淡々とした口調で



「…任務に関係のない話を持ち込むな。今は鬼の頸を斬る事だけ考えろ___」



そう告げると同時に、星宮は鋭い眼光で鬼の姿を捉え



「 翠の呼吸、漆ノ型…翠嵐 」



月の光を含んだ翡翠色の刀を振りかざし、鬼の頸を瞬時に切り落とした。

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作者名: | 作成日時:2023年6月25日 9時

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