検索窓
今日:23 hit、昨日:12 hit、合計:29,159 hit

80 ページ31

***



そして、迎えた柱合会議当日。



風屋敷邸では、いつもよりも騒がしい様子で



星宮の自室に訪れた数名の隠は、彼女を囲むようにして支度を進めていく。



「___おい、お前ら…支度に時間掛けすぎじゃないか?そんなに入念にやらなくても…、」



星宮が呆れたような表情を浮かべ、そう声を掛けると、隠たちは口を開いて



「そりゃ…時間掛けたくもなりますよ、何たって星宮様の晴れ舞台ですから…!」



「…出会った当初、暴言ばかりでガラの悪かった…あの星宮様が、柱になる日が来るとは…本当に喜ばしい限りです…!」



「おい、お前…それ悪口だろ。締め殺すぞ。」



星宮が隠をきっと睨みながら、物騒な言葉を投げかける中



隠は動じる事なく、慣れた様子でその言葉を交わし



「はいはい、…今から髪結うので、こっち睨まないで鏡の方向いて下さいね。星宮様、」



星宮は不服そうな表情を浮かべながらも、言われた通り、鏡の方へと身体を向き直す。



そして、髪を結い終わった後、隠のうちの一人が何かを抱えて持ってきたかと思うと



「星宮様、こちらの羽織…今日に合わせて私たちの方で御用意させていただきました。是非、お召しになってみて下さい、」



手渡された羽織は、鮮やかな濃紺を基調としたもので



羽織の裾には細やかな星々が、無数に散りばめられていた。



「……、…____」



星宮は羽織を見に纏い、隅から隅までまじまじと眺めていると、隠が口を開き



「星宮様、お似合いです…!サイズも丁度で良かったです…、お気に…召しましたでしょうか?」



そう問いかけると、星宮は少し気恥ずかしそうな表情を浮かべながら、



「まァ…いいんじゃ…ないのか…。……、…礼を言う…___」



「(星宮様…珍しく照れていらっしゃる…、可愛らしい…)」



「…おい、何笑ってるんだ…やめろその顔。殺すぞ、」



隠たちが微笑みながら星宮を見守る中、



そのうちの一人が何か思い出したような様子で、懐から小さな箱を取り出し、星宮へと手渡す。



「こちら、不死川様からお預かりしていたもので…就任祝いとおしゃっていました。どうぞ、お開けになってみて下さい。」



星宮は手渡された箱を開け、一瞬目を見開いた後



思わず口元からふっと笑みを溢しながら、



「(こういうのは…ちゃんと自分で渡しに来い、馬鹿__)」



そんな事を思いながらも、隠へと目を向けて



「おい、これも…つけてくれ。よろしく頼む、___」

81→←79



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
206人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2023年6月25日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。