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胡蝶はその言葉を聞き、一瞬目を見開いた後



少しの沈黙を置いてから、静かな微笑を浮かべて



「確かに…、あなたの言う通り…かもしれませんね。…でも…私は、あの子だけは…カナヲの事だけは、どうしても護りきりたい…。」



「今はまだ…あなたのような思いを抱く事が難しくても…これから先、カナヲが…自らの意思で剣を握ると言うのであれば…、…その時は、____」



胡蝶がそこまで言いかけた時だった。気づけば、先程まで隣を歩いていた不死川の姿が消えており



胡蝶が辺りを見渡すと、不死川はとある店の前で立ち止まり、何かを見ている様子。



胡蝶は若干苛立った様子で、不死川のもとへと向かい



「…もしもーし、不死川さん…何してるんですか?私、まだ話していたんですけど、」



内に静かな怒りを秘めながら、笑顔でそう声をかけた後



不死川の手元へと目を向け、少し驚いた様子で



「不死川さん…これ、ご自分に買われるんですか…?意外と、可愛らしい物がお好きなんですね…、」



「違ェ…俺じゃなくてよォ…、…アイツ…これ貰ったら…喜ぶと思うかァ、…?」



不死川は少し不安げな様子で、そう問いかける中



胡蝶はそんな不死川を見て、目を丸くしたかと思えば、思わず笑みを溢して



「あなたも、彼女も…本当によく似ていますね…。そんなに心配しなくてもいいのに…、」



「大丈夫です、彼女ならきっと…喜んでくれますよ。___」



そう話す胡蝶の脳裏には、先日の星宮との会話が浮かび



星宮は少し不安そうな表情を浮かべながら、手元の花へと目を向けて



『もし…これ、アイツに要らないって言われたら…胡蝶さんにあげます…。やっぱり…花なんかで、喜んでくれるか…分からないし…、』



そんな星宮に対し、胡蝶は穏やかな口調で



『では、仮に…逆の立場であればどうですか。あなたは不死川さんから、お花を貰えたら…嬉しいですか?』



『それは…まァ、嬉しい…ですけど…。…というか、花に限らず…アイツから貰える物は…なんでも、嬉しいと思います…』



胡蝶はそう話す星宮に優しい眼差しを向けた後、微笑みながら



『じゃあ大丈夫です、…あなたと彼はよく似てますから。余計な心配事は、不要です___』



星宮との会話を思い出した後、胡蝶は不死川に静かに視線を移して



「(何を貰うかより、誰に貰うか…。あなたも彼女も…きっとそこを重視している筈ですから…喜ばない訳がないんですよ、____)」

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作者名: | 作成日時:2023年6月25日 9時

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