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後日、不死川は胡蝶との合同任務を任され



その任務へと向かう道中、胡蝶が不死川に対して



「そう言えば…星宮さんからお花、ちゃんと受け取りました?」



「……は…、…何でお前…そんな事知って、___」



唐突にそんな事を聞かれ、不死川が少し驚いた表情を浮かべる中、胡蝶は口を開いて




「先日、お花を抱えてあなたの屋敷へと向かう星宮さんを見かけたので…声を掛けて、彼女と少々お話を。」



「確か…彼女、白のかすみ草を抱えていましたよね。不死川さん、知ってます?白いかすみ草の花言葉、」



胡蝶はそう言った後、穏やかな口調で



「白いかすみ草の花言葉は、色々と意味合いがありますが…、主となるのはやっぱり__」



「『感謝』と『幸福』…この二つの意味合いが強いかと。…随分と愛されているようですね、彼女に。」



にこにこと笑顔を向けてそう話す胡蝶に対し、不死川はぎこちない表情を浮かべると同時に、視線を逸らしながら



「別に…アイツ、そこまで考えて選んでねェだろォ…多分、…。」



「どうでしょう、…意外とその辺りも意識して、選んでいたかもしれませんよ。彼女、しっかりしてますから。」



胡蝶はそう言った後、少し間を置いてから、静かに口を開き



「……もうすぐ…ですね。彼女が…私達と、同じ所に立つまで。」



…次の柱合会議まで一ヶ月を切り、星宮の柱昇格の話は既に胡蝶の耳にも届いていた。



胡蝶はそう告げた後、少し視線を落としながら



「不死川さん…どうですか、今の心境は…。今まで大切に育ててきた継子が柱となるのは、嬉しいものですか。それとも、…___」



すると、胡蝶の言葉を遮るようにして、不死川が口を開き



「なァ、胡蝶。…この前の話だけどよォ、」



「……お前が言ってたように…、俺だってアイツを失うのは怖ェ。…出来る事ならずっと手元に置いて、護ってやりてェって思う、」



「けど…アイツが自ら剣を取って、戦うことを選ぶのであれば……こんな俺の思いなんて、余計なお世話でしか無ェだろォ。…____」



不死川はそう告げた後、濁りのない真っ直ぐな瞳を、胡蝶へと向けて



「それに、師であるなら…信じてやるべきだろォ、…継子がこの先ずっと、生き続ける未来をよォ…」



「……だからお前も…恐れるより先に、アイツを信じてやれ、お前の妹はお前が思ってるより…柔じゃねェ筈だァ___」

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作者名: | 作成日時:2023年6月25日 9時

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