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数時間後、任務を終えた不死川が屋敷へと戻ると
そこには屋敷の前で立ち止まり、何処か落ち着かない様子でいる星宮の姿があった。
「(アイツ…門の前で突っ立って、何してんだァ…？)」
そんな星宮を目にし、不死川が背後から「オイ」と一声掛けると
星宮はビクリと肩を揺らした後、不死川の方へ振り返り
「……急に声掛けるな、殺すぞ。」
きっと不死川を睨みつけ、物騒な言葉を投げかける。
そんな星宮の手には、小さくふわふわとした白いかすみ草の花束が抱えられており
不死川はその花束に目を向けながら、
「その花…誰かから貰ったのかァ、？」
「…………。」
そう問いかけると、星宮は黙り込んだかと思えば、ぎこちない表情を浮かべ
「…違う、…これは…アレだ…、貰ったとかじゃなく…___」
辿々しい口調でそう告げた後、星宮は不死川に押し付けるようにして、花束を手渡す。
「いいから…黙って、受け取れ。お前に…やる、…」
そう言って視線を外し、そっぽを向く星宮に対し
花束を受け取った不死川は、少し驚いたような表情を浮かべながら
「なァ…もしかして、これ…お前が俺に買っ___」
そこまで言いかけた所で、その言葉を遮るようにして、星宮が口を開き
「違う、そこら辺に落ちてた。勘違いするな、」
不死川に目線を向けながら、はっきりとそう告げる。不死川はそんな星宮に対して、
「(落ちてた…って…、そりゃ無理あるだろォ…。…素直じゃねェなァ、本当…)」
そんな事を思いながらも、手元のかすみ草に目を向けた後
「…ありがとなァ、一華ァ___」
ふたたび星宮のもとへと視線を向け、口元からふっと笑みを溢しながらそう告げた。
その後、二人は不死川の自室へと移動し、
不死川は花を花瓶に移し替えながら、側でその様子を見ている星宮に対して
「…なァ、何でこの花にしようと思ったんだァ？」
そう問いかけてみると、星宮は少し考えた後で
「何となく…目についたのと…あとは、お前の髪色と似てるし…、いいかなって…。」
「そうかァ、…俺からしたら…この花、お前の方によく似てると思うけどなァ…、」
そんな事を話す不死川に対して、星宮は怪訝そうな表情を浮かべながら
「は…？髪色、全然違うだろ…お前…目、腐ってるんじゃないか？」
「腐ってねェ、…髪色だとか…そう言う事じゃなくてよォ…、____」
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作者名：雫 | 作成日時：2023年6月25日 9時
