星屑を掴む・弍【不死川実弥】 (ページ25)

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その後も、女は穏やかな口調で話を続け、

『私の娘も…あと数年したら鬼殺隊に入る事になると思うんだけど…、あの子…人見知り激しいからねぇ…皆と上手くやれるかどうか…。』

少し困ったような表情を浮かべ、そう言った後

女はその美しい瞳で、俺の顔を覗き込みながら

『……でも、…優しい目をしたアナタであれば…あの子も、心を開いてくれるかもしれないねぇ…、』

『娘は私と同じ目をしてるから…きっとすぐ分かる、…どうかうちの娘を…よろしく頼むよ、___』

そう言って、女は優しい手つきで俺の頭を撫でた。

普段の俺であれば…気恥ずかしい思いから、女の手を避けていたと思うが

この時だけは、ただ黙ってその女を見つめると同時に

女の雰囲気から感じとれる、優しさや温かみに…懐かしい心地よさを感じていた。

すると、そこへ殺気立った足音が迫り

『……おい、…何をしている？』

突如現れた野郎は、女の手を取り、すぐさま自身のもとへと引き寄せる。

腹の居所が悪そうな野郎に対し、女は少し不安げな目を向けて

『ちょっとこの近くに用があって…アンタの屋敷に寄ってみたんだけど…、ダメ…だったかい、？』

野郎の顔を見上げるようにしてそう聞き返すと、野郎は少しの沈黙の後

『………そう言う訳ではないが…、あまりこの辺りをウロウロするな…。今、此処には多くの男共がいる…、…だから…出歩かれると、困る…。』

『どうして、アンタが困るんだい…？』

『…………、』

不思議そうな顔を向ける女に対して、野郎は決まりの悪そうな顔を浮かべたかと思うと

急にこちらへと鋭い視線を向け、俺の首根っこをぐいっと掴む。

『……ッ、！？おい…離せェ、___』

野郎は女に背を向け、俺を引き摺るようにして歩きながら

『悪いが…もう稽古の時間だ。お前も早く家へと帰れ、お前がいないと…あの子が寂しがるだろう。…構えなくて悪いな、___』

淡々とした口調で女にそう告げた後、その場から立ち去り

その後、野郎は眉間に皺を寄せ、俺を睨み付けながら

『人の妻に手を出すとは…何ともけしからん奴だ。…覚悟はできているんだろうな、不死川。』

『…はァ、？手なんか出して無___』

野郎は俺のそんな言葉を聞き入れる様子もなく、投げるようにして木刀を渡し

『言い訳など無用、…さっさとかかって来い。』

『上等だァ…今度こそ、テメェから一本取ってやらァ___』