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(No side)



男は思いの丈を、不死川に全て話した後、



「見ての通り、私はもう時期死ぬ。その前に…あの子に伝えるべき事はたくさんあるが…、なんせ不器用なものでな。」



「一華に…『すまなかった』とだけ、伝えてはもらえないか。不死川、」



不死川は黙り込んだかと思えば、スッと立ち上がって縁側の方へと向かい



「 断る 」



そう一言、はっきり告げた後、静かに口を開いて



「……そう言う事は、テメェの口から言わねェと…意味無ェだろうがァ____」



そう話すと同時に、自らの鎹鴉を手元に呼び寄せ、言伝を頼む。男はそんな不死川の様子を目にし、



「…自身を勘当したこの私に、あの子がわざわざ会いに来ると思うか?…私があの子の立場であれば、そんな奴が死にかけてようと、何とも思わないがな。」



男が淡々とした口調でそう告げる中、不死川は空へと駆けて行く鎹鴉を眺めながら、



「…俺だってアイツの立場なら、テメェなんかに会おうとは微塵も思わねェ」



「けど、アイツは…そんな俺らとは違うだろォ…それは父親であるお前が一番、よく分かってるんじゃねェのかァ___」



そう問いかける不死川に対して、男は特に返答せず、ただ口を閉ざしていた。



それから少しの沈黙が流れた後、男はふたたび不死川の方へと目を向けて



「…それと…お前には一つ聞きたい事があるんだが、」



改まった様子でそう声をかける男に対し、不死川は「…何だァ、」と一言、聞き返すと



「お前…あの子に手を出してないよな?出したら殺すぞ、」



唐突にそんな事を言われ、不死川は思わず振り返り、呆れた視線を男へと向ける。



「はァ…?テメェは一体、何の心配してんだァ…出す訳無___」



すると、男は不死川の言葉に被せるようにして



「どうだかな。…以前私の妻に手を出しかけた男だ。娘に手を出そうとしても、何ら可笑しくはない。」



「…誰がいつ、テメェの嫁に手ェ出したってェ…?テメェの記憶はどうなってんだァ…?」



苛立つ不死川とは対照的に、男は冷静な口調で



「あの子を継子にしたのも…下心からじゃないのか?そうだとすれば、最悪だな。柱の風上にも置けん、」



「オイ、テメェ…一旦黙っちゃくれねェかァ…?好き勝手言いやがってよォ…、死期早めてやろうかァ?あァ…?」



男は苛立ちを募らせる不死川を目にし、軽くため息をついた後、呟くようにして



「……相変わらず、血の気の多い男だな、お前は___」

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作者名: | 作成日時:2023年6月25日 9時

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