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「…じゃあ私は、そろそろ行く。お前に構ってる暇などないからな、」



「(…お前からこっち来たんだけどなァ…、…)…気ィつけて行って来いよォ。」



仲間のもとへ戻る星宮を、見守るようにして眺めていると



途中で星宮が足を止めて振り返り、ふたたび不死川のもとへと駆け寄ってくる。



「……?…どうしたァ、」



不死川がそう声をかけると、星宮は少し間を置いてから、不死川の羽織の裾をぎゅっと掴んで



「……おはぎ、買って…待ってるから、…早く帰って来いよ。…____」



視線をチラッと不死川へ向けた後、裾から手を離し、ぱたぱたと仲間のもとへ駆けて行った。



そんな星宮を見て、今まで気配を消し、一歩下がった所で様子を見ていた宇髄が口を開き



「お前の継子…、派手に可愛いな。」



不死川はそう呟く宇髄に対して、背を向けたまま



「…………おう、」



一言、そう呟いた後、星宮とは反対方向へと歩き出す。



「お前…今日の任務、絶対足引っ張るなよォ…少しでも無駄な動きしたら、殺すからなァ…」



物騒な言葉を投げかけながらも、先程まで不死川に纏わりついていた殺伐とした空気は消えており、



代わりに、何処か機嫌の良さそうな空気を纏う不死川を見て



「(分かりやすい奴…、…___)」



宇髄は口元からふっと笑みを溢しながら、不死川と共に任務へ向かっていった。



















***



その後、宇髄との任務を終えた不死川は、屋敷へと戻る前に



一旦、蝶屋敷を訪れ、胡蝶から怪我の手当てを受ける。胡蝶は不死川の手当てを行いながら、



「___…以前は怪我をしても全く来ず…悪化させて、忙しい私の手を煩わせていたというのに…最近はちゃんと来てくれるようになりましたね、不死川さん。」



微かな嫌味を交え、にこやかな笑顔を不死川に向ける。



一方、不死川は気まずそうな表情を浮かべ、胡蝶から視線を外した後、呟くようにして



「……怪我…そのままにしてると、アイツが心配するからよォ…」



胡蝶は不死川の言葉を聞いて、『アイツ』が誰であるかを察した後、



少しの沈黙を置いてから、口を開く。



「不死川さん、随分と…彼女の事を大事にされているようですが…、…少々、可愛がりすぎではないでしょうか…。」



「あまり…大事にしすぎてしまうと、後々辛くなりますよ。あなたも…彼女も、____」



不死川の怪我にそっと触れながら、胡蝶は静かな微笑を浮かべ、そう告げた。

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作者名: | 作成日時:2023年6月25日 9時

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