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あの日、星宮は甘露寺の問いかけに対して、



『__…寂しいかどうかで言えば…、正直…寂しくはなると思う…。今まで通りの日常を、これからも…アイツと過ごしていきたいって思う…、…』



星宮はそう言った後、一呼吸置いてから、ふたたび口を開いて



『でも…それ以上に、私はアイツの期待に応えたい。』



『私を一人の剣士として、認めてくれた。呼吸を教えてくれた、仲間の大切さも教えてくれた、…継子にも選んでくれた。』



『…私がそんなアイツに返せるのは、柱になって鬼殺隊を支えていく事だと思う…だから、個人的な感情で左右されず…ただ強くなる事だけを考えていたい。』



淀みのない真っ直ぐな目を向けながら、星宮はそう言い切った。その後で、付け足すようにして



『あとは…アレだな、今までアイツに色々と護られてばかりだったから…。…今はまだ実力が及ばなくても、いつかはアイツを護れるくらい、強くなりたい。』



『………アイツには…長生きして欲しいからな、____』



星宮はそう告げた後、大人びた表情を浮かべ、ふっと柔らかく微笑んだ。



甘露寺はそんな星宮の言葉を、一言一句溢す事なく、不死川へと伝え



「もう本当…私…あの時、とってもキュンキュンしちゃって…!!同じ女の子なのに、惚れちゃいそうに____」



甘露寺が一人で盛り上がり話し続ける中、



不死川にはもう、甘露寺の言葉は届いておらず、ただ黙って星宮の言葉を噛み締める。



「(何してんだァ、俺はよォ……アイツの方がよっぽど…俺より大人じゃねェかァ…、)」



今まで抱え込んでいた思いを恥じると同時に、下ろしている拳を強く握りながら、とある決意を瞳に宿す。



その後、不死川は話し続ける甘露寺に構わず、背を向けて歩き出し



「え…不死川さん…!?私、まだ話してるのにっ…!!一体、何処に____」



「決まってンだろォ、…アイツに柱になってもらうために、今から稽古つけに行くんだよォ…話の途中で悪ィな、甘露寺ィ。」



その言葉を聞いて、甘露寺は穏やかな視線を向けた後



ニコニコと笑顔を浮かべながら、去っていく不死川の後ろ姿を見つめていた。



その後の道中、不死川はとある男に絡まれ



「…貴様、随分…甘露寺と親しげに話していたな…何を話していた?まさかとは思うが…甘露寺に好意を抱いたり、___」



「(面倒臭ェ奴だなァ…。)」



蛇のようにネチネチとしつこい、あの男に絡まれていたのは言うまでもない。

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作者名: | 作成日時:2023年6月25日 9時

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