検索窓
今日:3 hit、昨日:54 hit、合計:29,193 hit

51 ページ2

宇髄と不死川がそんな会話をする中



気づけば星宮は泣き喚く隊士と、目線を合わせてしゃがみ込み、隊士の涙を指先で拭いながら



「…いい加減、泣きやめ。せっかくの可愛い顔が台無しだろ…お前に何かあれば絶対助けに行く。約束する…、だからもう泣くな。」



そう告げる星宮の口調は、先程とは打って変わって穏やかなもので、



泣いていた隊士はピタリと涙を止めたかと思うと、ふたたび目を潤ませて



「一華ちゃん…。…あの一華ちゃんが…天然たらしみたいになってる…!!こんなの、いつもの一華ちゃんじゃないよぉ…!!」



別の意味で泣き出し、さすがの星宮も苛立ちを募らせ、刀に手をかけ始め



「は…?どういう意味だそれ…、…お前…いい加減にしないと、その口斬り落とすぞ、___」



そんな星宮を見て、もう一人の隊士が止めに入る…、そんなやり取りが繰り返される中



「…アイツら、派手に賑やかでいいな。俺も混ぜて貰いにでも、___」



興味本位で宇髄が星宮たちのもとへ行こうとした時だった。不死川はそんな宇髄に対して、



「やめろォ、野暮な真似すんじゃねェ。…行くぞォ、」



そう声を掛け、背を向けてその場を立ち去ろうとすると



不意に後ろから羽織を引かれる感覚があり、



「…何してんだァ…テメェはよォ、___」



宇髄の仕業だと思い、苛立った様子で振り返ると、そこには星宮が立っていた。



「お前…また随分と苛立ってるな…、…眠れてないのか…?酷い顔してるぞ、」



少し心配そうな目を向ける星宮に対して、不死川は先程の苛立ちを全く感じさせず



「…気にすんなァ、これくらい…なんて事ねェからよォ。…早くアイツらの所に、戻ってやれェ」



比較的落ち着いた口調でそう告げる。星宮はそんな不死川をじっと見つめた後、



「………今日は…帰ってくるか…、?」



視線を少し下へと落としながら、そう問いかける。不死川はそんな星宮を目にし、



「(そういえば…最近…立て続けの任務で、屋敷に戻れてなかったからなァ…、…)」



「…なるべく早く片して戻るからよォ…そんな寂しそうな顔すんなァ。」



穏やかな口調でそう告げると同時に、星宮の頭にぽんっと軽く手を置く。



対する星宮は、そんな不死川の言葉に身体がピクリと反応したかと思うと、



「別に…してないだろ、…とうとう強めの幻覚でも見え始めたのか、お前。ちゃんと寝ろ、」



「(こういう時は素直じゃねェんだよなァ…コイツ…、)」

52→←50



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
206人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2023年6月25日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。