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(No side)
甘味処を後にした二人は、次に花屋へと訪れ
「……、」
黒羽は一通り店内の花へと、目を向けるものの
「不死川さん、行きましょうか。」
そこでは何も買う事なく、不死川を連れ店を後にする。
「アンタに花は似合わないというか…あれですね、これからアンタの手に渡る花の気持ちを考えると、気が引けるというか…」
「不死川さんは花よりも、そこらの雑草がお似合いですよ。」
「どういう意味だァ、コラ」
黒羽の言葉を受け、不死川が苛立つ中
「……」
先を歩いていた黒羽は、静かに不死川の方へと振り返り
「それに…アンタはそのうち貰えますから。もう少し待ってて下さいよ。___」
微笑と共に、そんな言葉を不死川へと投げ掛ける。
「…？」
その言葉を聞き、不死川が不思議そうな表情を浮かべる中
黒羽はふたたび前を向き、歩き始めたかと思えば
「…あ、」
とある雑貨屋が目に留まり、黒羽は店の中へと足を踏み入れる。
数分後、店を後にした黒羽は不死川のもとへと戻り
「これあげます、アンタに似てるんで。」
真っ白な狼の絵が描かれた根付けを、不死川へと手渡す。
「鋭い目付きに、この傷跡…アンタそっくりですよね。殴りたくなる顔してるところも似てますね、」
「お前…普段、そんな風に思ってんのかァ…。」
そう話す黒羽に対して、不死川は少し呆れたような視線を向けながらも
「……、…___」
手渡された根付けを眺めた後、それを大事に握り締め
「紫…ありがとなァ」
いつになく穏やかな笑みを浮かべながら、黒羽に対してお礼を言い
「(……)」
対する黒羽は、少し驚いたような表情を浮かべた後
「…いえ、」
呟くようにしてそう一言返し、不死川よりも先を歩く。
帰路へとつく道中、不死川は前方にいる黒羽に対して
「なァ…お前は誕生日、いつなんだァ」
そんな問いを黒羽へと投げ掛け、
「誕生日…ですか？私は、___」
対する黒羽は、不死川の問いに答えようとしたものの
「……」
考え込むような様子をみせ、途中で口を閉ざしてしまう。
「紫…？どうかしたかァ、」
不死川がそう声を掛けると、黒羽は不死川の方へと振り返り
「私の誕生日は…明日です。」
「だからプレゼント、明日倍にして返して下さいよ。」
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作者名：雫 | 作成日時：2023年11月29日 0時
