ページ ページ4
「次、行きますよ。次、___」
その後も、俺はアイツに連れ回され
「アンタって…音柱みたいな、派手な小物付けませんよね。」
「一つくらい何か持っていても、損はないかと思うんですけど……あ、これとかどうです?」
そう言ってアイツが手渡してきたのは…見るからに趣味の悪そうな、刺々しい首輪。
「オイ…俺ァ犬じゃねェンだぞォ、こんなモン付けて出歩ける訳ねェ___」
アイツに対して、そう訴えてはみるものの
「あ…鎖も付属してるみたいですね、いつでも散歩付き合ってあげますよ。」
アイツは満面の笑みを向けながら、そんな言葉を俺へと投げ掛ける。
結局…その店では、銀色の腕飾りをアイツが購入し
「…首輪の方が使い勝手いいかと思うんですけどね、」
「アンタにはまだ早いみたいだったので…とりあえずこれで。いつか首輪つけて散歩しましょうね、」
「しねェよ、お前…俺の事なんだと思ってンだァ」
アイツの言葉に、若干引っ掛かりはしながらも
「…ありがとなァ、」
アイツから手渡された木箱を受け取り、それを懐へとしまう。
その後は、休憩がてら付近の甘味処へと立ち寄り
「あ、すみません。注文いいですか、___」
アイツが注文を取る中、俺は先に運ばれて来た茶を口へと含み
「(コイツ…もしかして、俺に気遣ってンのかァ…?)」
今更ながら…そんな事を考えてしまう。
食事処に出向いた際は、新手の嫌がらせかと思いはしたが
会計は既にコイツが済ませ、衣服や小物の店を訪れては…悪趣味な物を持って来ながらも
最終的には頭を悩ませながら、俺に似合ったものを選んでくれていた訳で
「(てっきり…嫌われてるモンだと思ってたンだけどなァ…、___)」
そんな事を思いながら、おはぎを口へと運んだのも束の間。
「___ッ、」
舌先にピリッとした感覚が、広がったかと思えば
アイツは…真っ赤な液体が注がれた瓶を懐から取り出し
「不死川さん、美味しいですか?…お店の方に頼んで、中に唐辛子仕込んでもらったんですよ。」
その瓶を見せつけながら、咳込む俺に対してそんな言葉を投げ掛ける。
「誕生日ですからね、いつもと同じじゃ…味気ないでしょう。今日は特別です、」
笑顔でそう告げる、アイツへと目を向けながら
「お前…相変わらず俺の事、嫌ってンなァ___」
7人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雫 | 作成日時:2023年11月29日 0時