眠れる森の美男 ページ31
｢っっ、、｣
ホントにやばい時って声が出ないんだね。
今日は他社でプレゼンテーション会議があり、早めに出勤する予定だった。
にも関わらず、目が覚めたのは昼の12時。
ベッドの上で一旦静止するものの、やはり行かなきゃいけないなという思考が働き、急いでベッドを出る。
と、その時、脳がふわっとし、身体が重だるくなる感覚。
起きてすぐクローゼットに向かってたその足は、6歩目を踏み出す前に力を失う。
壁に手をつき、俯く。
｢なんでこんな時に？｣
上半身に血が通ってないのだろうか。
口に出したはずのその言葉が身体の中に閉じ込められ、体内に響く。
ぐんと下がった血圧。戻る気配はない。
むしろ、頭痛や嘔気、浮遊感が増し、立っていられなくなる。
ドサッ
｢いったいなぁ｣
座っていることもままならず、床に倒れ込む自分。
床に打ち付けられた身体が少々痛む。
けど、意識が薄れゆくなか、どこか安心している自分がいた。
これで会社に行かなくてよくなる。って。
気を失ってから目を覚ますまで、そう時間は経っていなかった。
目が覚めた時の絶望感。
出勤するか。と仕方がなく起き上がったが、座位のままでもフラフラする。
ほぼ四つん這い状態で、洗面所に向かう。
顔を洗えば目が覚めるだろうと、あちこちに手をかけ、立ち上がる俺。
顔はまだ洗わずに、洗面台に手をかけたまま、数分間俯いたままでいると、やっと血圧が戻ってきたように感じられる。
今日は仕方がない。とタクシーを呼んだ俺。
乗り込み、ようやく呼吸ができるようになった俺。
数十件の着信とメールが来てることに気付いて、また息が出来なくなる。
しかも、その着信やメールは、会議が始まった時間から来なくなっており、その後、会議が終わったとされる時間にも来てることは無かった。
あ、呆れられた。
絶望感以外の何物でもないこの感情。
タクシーの中、なんて言い訳をしようかずっと悩んでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
消費期限(プロフ) - ちえさんさん» 行動が早い笑笑いつもありがとうございます！冷房ガンガンなので暑さ知らずです^_^ちえさんは大丈夫ですか？暑さにも冷房の寒さにも負けないよう体温調節頑張ってくださいね、！ (7月11日 1時) (
レス) id: e1b4d7c7fb (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - 情けは人の為ならず、を思い出しました。毎日暑いけど消費期限さんは大丈夫ですか？(早速実行w) (7月10日 8時) (レス) @page49 id: a409136931 (このIDを非表示/違反報告)
消費期限(プロフ) - ちえさんさん» 良かったです~~~!!!!! (6月21日 1時) (レス) id: e1b4d7c7fb (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - にのあいラバーなので、嬉しいお話でした。ありがとうございました〜 (6月20日 9時) (レス) @page43 id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
消費期限(プロフ) - ちえさんさん» こんにちは！やまたろコンビ大好物すぎて書いちゃいました🥺 (6月17日 1時) (レス) id: e1b4d7c7fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：消費期限 | 作成日時：2023年3月28日 23時
