6『取り引き』 ページ6
[A]
友人帳？
夏目くんの持ち物であろう。
私に話さないってことは
きっとまだ話せないんだ。
A「人の物を盗んじゃダメだよ。
それより、夏目くんしらない？
行方不明になって探しに来たの。」
ツボ「夏目とやらは先程牢屋にいた。
俺はこの屋敷を歩いていて捕まったんだが、
その時には牢屋にいたぞ。」
A「つまり夏目くんは囚われてるんだね。
これは助けなきゃ!!」
ツボ「だがここは的場一門の家。
そう簡単に行くかどうか。」
A「貴方をこのツボからだす。
その代わりに夏目くんを探して欲しいって取り引きはどう？」
ツボ「うむ…。
壺の中からでなければ意味もないしな。分かったぞ！小娘！取り引き成立だ！」
A「良かった！
じゃあ今出すからね。」
知り合いの祓い屋に
術の解き方を教わったことがある。
この壺は簡単な封印だ。
直ぐに解けるはず。
呪文を唱えようとしたら、
ツボ「あ、…………」
A「え、どうしたの……っ………！？」
ツボの妖怪にきいたら、
突然後ろから手を掴まれた。
的場「お久しぶりですね。Aさん。」
体との距離が近く、
耳元で囁かれた。
A「的場さん……」
的場「人様の屋敷に侵入するとは、
これは大それたことを。」
A「ち、違います！
そちらの妖に無理やり連れてこられたんです。」
的場「それは失礼しました。
でも丁度良かった。話をしてみたかったんです。」
これはやばい。
今捕まったら夏目くんを助けられない。
逃げるしかない！
的場さんの手を離して、
慌てて廊下へ出たが
A「きゃっ………！！」
足を引っ掛けられてしまい転んだ。
ツボ「いてっ！」
あ、！
壺も今の衝撃で離してしまった。
的場「これは失礼致しました。
さぁ、大人しくこちらに来てください。」
徐々に近づいてくる的場さん。
このままでは逃げられない。
慌てて私は壺の術を解く呪文をいい、
何とか壺から妖怪がでてきた。
猿面「礼を言う。人の子。」
A「夏目くんをお願い！！」
猿面「承知した！」
よし。
これで夏目くんは…
的場「随分と大それたことをして下さいましたね。」
A「きゃっ………！」
腕を引っ張られて
そのまま先程の薄暗い部屋に入れられた。
続く (更新停止中)
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作者名：花月 | 作成日時：2020年7月27日 19時
