別世界で出会った鬼の少年【鬼滅の刃】【累】

10、私の特技 ページ10

[A]




A「っ……………」





富岡さんの振るった刀は
私の首ギリギリで止まっている。





富岡「何をしてる!!
そこをどけ!!」





普段の冷静な富岡さんとは思えないくらい
焦って声を出す。




そして後ろにいる男の子も





累「ねぇ、邪魔なんだけど。」




なんて助けてあげたのに
こんな態度だ。





富岡「A！早くそこをどけ！」




どいたらこの子は殺される。






A「待ってください！
富岡さん！
この子はさっき会った鬼達とは違います！」





富岡「何を言ってるんだ！
鬼は皆、人を喰う！何も変わらない。
そいつも今まで大勢の人を喰ってる。

同情なんていらない！
そこをどけ！


そもそもなんの根拠があって、
そいつのことを守ってるんだ!!」






A「富岡さん、
私、人の感情を感じやすいんです。」




富岡「何を言ってるんだ？」





富岡さんに刀を向けられてるまま
説明しだす。





A「人間や動物、恐らく鬼もそうです。
皆感情を出すときは脳の電波を出しているんです。

普通の人ならば、
その電波を感じることが出来ません。

でも私は生まれつき
人の感情の電波を強く感じることができるんです。」





富岡「それが今のこの状況と
どう関係があるんだ!!」






A「さっきの鬼達は
理性もなくして、むき出しの本能で人を襲ってきましたが、この子は違うんです!!」





私がそう言うと、
後ろの男の子がだるそうに





累「違わない。
俺は人を喰う。君は16歳でしょ？
喰い甲斐がありそうだ。」





そう言って直ぐに
富岡さんの顔色が一気に変わった。





富岡「っ…！A！逃げろ!!」





A「えっ……ぐっ!?」






勢いよく口元を押さえつけられたまま
後ろに引きずられ、
富岡さんとの距離が出来てしまった。




しまった…
話すのに夢中で後ろの男の子への危機感が…






A「んんっ…んん!?」





累「うるさいよ。これくらいで騒ぐな。」





口元が男の子の手で覆われてるため
声が出ない。



背中が男の子に密着してるため、
離れることも出来ない。




よくテレビドラマとかで
ありそうな人質状態になってしまった。

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