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166話 仲良くなりたい ページ2




黒猫もとい色のノアであるルル・ベルに案内されて方舟に入ったはいいものの、目の前の景色を見て思わず顔が引きつる


これを登れと言わんばかりにポツンとただひとつだけそこに存在する螺旋状の階段は どこまで続いているのであろうか、まったく終わりが見えない



『…あのー、私長旅で疲れてるんだけど』

(あるじ)は最上階にいる」

いつのまにか猫の姿から人の姿へと変わっていたルル・ベルはそれだけ言うと スタスタと階段を登り始める


『拒否権なしですか、そーですか』

私は大きくため息をつくと 一気に階段を駆け上がり ルル・ベルの隣へと並んだ



「……なぜ隣に並ぶ」

『いや、せっかくだし何か話そうなかと』

「私はお前と雑談するつもりはない」


そう言って階段を登るスピードを速めるルル・ベル

『えー、せっかくだし仲良くしようよ』

私も負けじとルル・ベルの隣に並ぼうとするが ルル・ベルもさらに速めていく







『ちょっと、逃げないでよ〜。仲良くいこーよ』


「お前が後ろを歩けば済む話だ」


『ルルのけち〜』


「ファーストネームで呼ぶな!!」


『ちょっ、待ってってば!』









そんなこんなでお互い譲らず最上階に着く頃には2人して膝に手をつき息を切らした状態だった


『あ”ぁー、つがれた…』

「…誰のせいだと思っている」

『えっ、私のせい!?責任押し付け!?』


文句を言う私に対してルル・ベルはクスリと頬を緩ませた

『今笑った…?』

「笑ってなどない。見間違いだ」

でもそれもほんの一瞬のことで すぐにまたいつもの仏頂面に戻ってしまったけれど。



「…Aと言ったか。私はルル・ベル」

『え、知ってるけど…』


ギロっと睨まれたのでとりあえず黙っておく


ルル・ベルはひとつため息をつくと 好きなように呼べ、と言ってそっぽを向いた


『じゃあ、ルル』

「……なんだ」

『これからよろしくね。はい、握手』


そう言って差し出した手を ルル・ベルはそっと握り返してきた





もしかしたら、ここでの生活もうまくやっていけるかもしれない……


そう思えた瞬間だった

167話 ご馳走→←プロローグ



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きなこもち(プロフ) - めありぃぃさん» コメント頂けて本当に嬉しいですm(_ _)m。こんなに更新ペース遅くても、我が道突っ走ってても、見てくれてる方がいらっしゃると思うと本当にありがたいなと感謝の気持ちでいっぱいです。亀より遅いスローペース更新ですが、今後もぜひよろしくお願いします! (2021年5月8日 20時) (レス) id: 8cb9599803 (このIDを非表示/違反報告)
めありぃぃ - 更新してくださってくれて嬉しいです!今でもディーグレイマンの小説書いてくれて感動してます!頑張ってください! (2021年5月8日 8時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - フランさん» めちゃめちゃお返事遅くなってすみません!通知気づかなくてm(_ _)m。更新停止状態なのに、コメントありがとうございます。すごく励みになります。今の状況が落ち着いたら、また更新していけたらと思います。嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2019年7月18日 22時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
フラン - 失礼ながら初コメさせていただきます!ディーグレイマンの26巻が発売されましたね!今日始めて読んだのですが続きの物語を楽しみにしています。更新頑張ってください! (2019年2月19日 21時) (レス) id: a7e74e025e (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - ルイさん» 初コメありがとうございます!もともと更新遅めに加えて受験も重なり、あまり更新できてなくて、、。楽しみにしていて下さってるのにお待たせしてすみません。受験終わり次第ガンガン更新頑張りたいと思うので、それまで待っていただけたら嬉しいです! (2017年10月23日 17時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこもち | 作成日時:2016年12月18日 0時

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