05.添削 ページ7
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『場地、おはよ』
「おー、オハヨ」
入学式から数日後、私と場地はそれなりに仲良くなった。
席が隣だから何かと喋る機会は多いし、
完全に自業自得ではあるけれど、“中学生にしてダブり”というレッテルを貼られると色眼鏡をかけられることもある。その点で同じ境遇の場地は何も気を遣わなくていいし向こうも気を遣ってこないからすごく楽なのだ。
早々に“場地君”から“場地”呼びに切り替えた私に「そっちの方がいい」と場地は笑っていた。
『あ、そうだ。今日の放課後私残れない』
「…まじ」
入学式の日に場地に誤字を教えてから、放課後プチ勉強会を開くのがここ数日での日課になった。
と言ってもその日の授業のおさらいをちょろっとするとか、事あるごとに見つかる場地の誤字脱字を指摘するとかその程度。
場地は「わかってないことがわからない」タイプ、つまりは正真正銘のおバカさんなので場地に学を身につけさせるのはなかなか難しい。
でも、教わったことを吸収はできないけど素直に飲み込もうとする姿勢は好感が持てるし何より普通に楽しいので。
私は場地と過ごす放課後が思いの外気に入っている。
「前書いてたやつ、見直してもらおうと思ってたンだけど」
『もしかして手紙のこと？え、まだ出してないの？』
「っせぇな、間違い多くて直しきれてねぇんだよ」
『別にいいんじゃない？だって、今までも誤字脱字だらけの手紙渡してたんでしょ、間違い直しにこだわるより早く手紙出してあげなよ。相手待ってるかもしれないじゃん、場地からの手紙』
「手紙手紙って何回もゆーな、ブッ飛ばすぞ！！」
存外口の悪い場地はキレるのも早い。
現に今も多分修正を繰り返したであろう原稿用紙を怒りに身を任せてぐしゃりと握りしめ、その努力の結晶を無駄にしていた。
やっぱりこいつ、相当バカだ。
『…ていうかさ、手紙なら便箋使いなよ。原稿用紙じゃなくて』
誰に出すのかは存じ上げないが、もし仮に意中の相手へのラブレター的なものだとしたら、原稿用紙はマジでない。
「こーゆーのはキモチの問題だろ」
けれど場地は私の意見をあっさり却下、スルーして黙々と新しい原稿用紙に少々乱雑な字を埋めていく。
『場地って女心わかんなさそうだよね、一生』
「あ？」
『……何でもない』
頭を悩ませながら誰かに手紙を書いたり、想いの詰まった言葉をもらったり。そんな経験なんてしたことがないから、ほんの少しだけ場地のことを羨ましいと、そう思った。
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玲 - おもろい✨続き楽しみにしてるます！ (3月29日 19時) (
レス) @page16 id: ed098355db (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます、励みになります！ぼちぼちの更新になりますが頑張りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2023年3月16日 21時) (レス) @page15 id: 869b2e483e (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください😆 (2023年3月16日 8時) (レス) id: ca28bfbf34 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 甲賀忍者さん» 甲賀忍者さん、嬉しいお言葉ありがとうございます！更新スローペースですが気長にお待ちいただけたら嬉しいですm(__)m (2022年8月29日 1時) (レス) id: 869b2e483e (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 面白いです！留年コンビいいですね！応援させて下さい！ (2022年8月27日 14時) (レス) @page8 id: 75f75dc2eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2022年7月14日 16時
