場地と私のダブり同盟【東京リベンジャーズ】

02.噂 ページ3

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『ふぁーあ……ねっむ…』



長々しい挨拶やら謝辞やらを睡眠時間に使うことで入学式をなんとか乗り切ることに成功する。
当たり前に話は右から左へ聞き流している私にはこれから自分がどう動くべきなのか全く把握していないがまぁ周りに合わせて行動すれば大丈夫だろうと思う。


どうせ把握されている問題児は一塊にされるのがオチ、と受付でもらった資料の中からクラス名簿を見つけ出しザッと目を通せばその考えは当たっていたらしい、その名前は簡単に見つかった。



場地圭介



去年学校なんて全くと言っていいほど来てなかったから、誰が転校生なのかなんて全然わかんないけど、留年してる時点でそこそこヤバい奴なのは間違いないだろう。
仲良くできますように、と心の中で祈っていればヒソヒソと噂をするような周りの声と視線に気づく。
既に私が留年者だという噂は広まっているらしい。

探るような、品定めするような不躾な視線は気持ちが悪い。
まぁ正直予想はしてたけど、実際そういう反応されるとやっぱり結構ダメージくるかも。でも、声のする方を向けば慌ててその視線は逸らされるのを繰り返せば、結局は烏合の衆かとため息が出る。どうせなら面と向かって言ってくれた方がこっちも対応のしがいがあるのに。

『面倒くさいな…』

思わず出た本音と共にため息を吐けば、「そ、そういえばさ」と周囲の話題も風の如く変わっていく。



「入学早々不良の先輩たちに呼び出しくらった奴いるらしいよ」

「まじで！？怖ぇー」



結局は人の噂話かい、とツッコみたくなるのをなんとか抑えて顔を顰める。けれど周りはもはや私の反応なんて眼中にないようで盛り上がるように「知ってる知ってる」と声を高らかにする。



「呼び出されたのって有名なヤンキー、松野千冬だろ？」


マツノチフユ


一つ下の代だし当たり前にその名前に聞き覚えなんてないけれどきっと受付前に見た金髪片耳ピアスのあの子だろうな、とは容易に想像ができた。


マツノ、チフユ、マツノ、チフユと何度か頭の中でその名前を繰り返してから彼について考えることはやめた。
クラス名簿には記載されていなかった名前だし、今後関わることもなさそうだから。


それに私は彼よりも重要視してる人物がいるし。






『まずは学校の友達第一号を作んなきゃね』















高らかに意気込んだその宣言を、私は数分後にほんの少し後悔することになる。

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