episode34 ページ36
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『善子と雛鶴はどこ？簡潔に答えて』
京極屋の楼主の部屋に気配を消して入り込み、背後から首元に短刀を突きつける。
普段は一般人相手に手荒な真似はしないけれど、今回は例外。時間がないのだ。
突然のことに楼主は冷や汗を流し、呼吸を乱しながらも、突きつけた短刀に力を込めれば震える声で言葉を繋ぐ。
「善子は消えた、雛鶴は病気になって切見世へ…」
『他に知ってることは？怪しいのは誰』
はぁ、はぁと荒い呼吸を繰り返しながら中々口を開かないのはこの事態に頭が追いついていないのか、それとも恐怖しているからか。
『…そいつは、必ず殺す。仇を、取りたくないの？』
「……蕨姫という花魁だ、日の当たらない北側の部屋にいる…！」
『そう、ありがとう』
楼主から情報を聞き出し素早く北側の部屋へと移動するも、既にそこはもぬけの殻。
どうやら今夜は狩りに出ているらしい。
『鬼は今外に出てる。私は気配を探りながら先ずは雛鶴さんの所へ行く。宇髄さんに、伝えてくれる？』
鎹鴉に伝言を頼めば、「了解シタ！」と頼もしく返事をして飛び立っていく。
それを見送ってから、私は切見世へと急いだ。
『……此処か』
ひとつだけ異様な雰囲気を醸し出す建物の戸を開ければ、帯のようなものに巻き付かれ身動きの取れない状態の女性がいた。
素早く帯と女性を切り離せば、出血もかなりしているようで意識はあるものの女性はぐったりとしていた。
『雛鶴さん、ですね。鬼殺隊の茅ヶ崎です。宇髄さんから解毒薬と伝言を預かっています』
解毒剤を口に含ませ、嚥下を確認してから宇髄さんからの伝言を口にする。
『“もう何もしなくていい。解毒剤が効いたら吉原を出ろ”と。…お身体は平気ですか？』
「えぇ…。貴女も、もう行って…、私は大丈夫だから。鬼が、暴れているわ…」
雛鶴さんの弱々しく、けれど意思の強い言葉に頷いて
切見世を後にする。
『……こっちか』
騒がしい音は二箇所。一方は屋外でも屋内でもない、もっと深い場所。でも多くの気配の割に禍々しい気配も弱い。もう一方は屋外で、少し遠いけれど嫌な感じが強い。結局帰らなかったひよっこ隊士のどちらかと、鬼が戦っている。
相手は上弦、最悪全滅どころか、正直全員生き残れれば運が良すぎるほどだろう。
『……はぁ』
大きく息を吸飲み、覚悟を決めてから、私はひよっこ一人が戦っている方へと急いだ。
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きなこもち(プロフ) - ひかるさん» 観閲ありがとうございます、とっても嬉しいです！ (2022年5月8日 19時) (
レス) @page50 id: 869b2e483e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - すごく面白いです！ (2022年5月8日 15時) (レス) @page25 id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - いいさん» いいさん嬉しいお言葉ありがとうございますm(_ _)m。マイペース更新ですが頑張りますのでこれからも見ていただけたら嬉しいです！ (2021年10月19日 15時) (レス) id: 8cb9599803 (このIDを非表示/違反報告)
いい - 一瞬で心鷲掴みにされました！応援してます！頑張ってください！ (2021年10月17日 9時) (レス) @page47 id: ac051c4e24 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 凌雲さん» 嬉しいコメントありがとうございます！とても励みになりますm(_ _)m (2021年9月23日 10時) (レス) id: 8cb9599803 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2020年4月5日 17時
