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episode39 ページ41






「…お前、妙に気に障るなあぁ」

『そう。…どうでもいいから早く死んで』


妓夫太郎の視線をものともせず、宇髄と妓夫太郎の攻防戦が一瞬止んだ隙に今度はAが妓夫太郎に鋭く攻撃を与えていく。

しかし、相手は上限の鬼。


そう容易く仕留められるわけもなく、また奴の攻撃も早く鋭い。
素早く蟷螂のような太刀筋に、柔く(うね)る帯。
加えて一撃でも攻撃を受ければ致命傷となる猛毒とくれば、次第に隊士達に焦りの色が見えてくるのは必然だった。



体力の限界、治らない傷、毒の巡り。
闘いが伸びるほど鬼殺隊はどんどん不利になっていく




Aが一層焦燥感を感じた時、不意彼女は屋根の上に人の気を察知した。

そこに居たのはAが切見世で救出した宇髄の嫁の雛鶴。彼女は妓夫太郎に何かを向け狙いを定めていた


『あ…』


Aがそれの正体を正しく認識するよりも早く、雛鶴は“何か”を大量に放つ。
頭上に降ってくるのは、忍の武具として使われるクナイだった。



ほんの一瞬躊躇ったAだったが、宇髄がなんの躊躇なく妓夫太郎に突っ込んでいくのを見て、彼女も奴との距離を詰めにいく。

クナイを弾くことに血鬼術を使う妓夫太郎の懐へ入り込み、己にクナイが刺さることも気にせず宇髄とAは刀を振るった。



そして妓夫太郎の頸に一本のクナイが刺さり宇髄が奴の両足を、Aが片腕を切り落とす。

『……!』

直ぐに再生しない四肢を見て、Aはようやく理解をした。雛鶴の放ったクナイには、毒が塗られていたのだ。


両足を斬られ、バランスを崩した妓夫太郎の頸を炭治郎とAが斬りかかににいく。
しかし、その毒も上弦相手に絶大な効果を持つわけもなく。頸に刃が当たる寸のところで四肢を再生させた妓夫太郎は、腕の振りなしに広範囲の斬撃を血鬼術によって繰り出す。


『っ…!!』

宇髄が炭治郎を蹴り飛ばしたことで炭治郎は血鬼術の範囲外へと免れたが、宇髄とAはその凄まじい斬撃を辛くも回避していく。



何とか奴の攻撃を受けずに済んだことにほっと安堵したAだったが、奴の姿が見えなくなったことに気づきその表情が強張っていく。


『…っ、雛鶴さん!!』


まさかと思いAが視線を上に上げた時には既に妓夫太郎が雛鶴を捉えていて。





「よくもやってくれたなああ」

地に這うような妓夫太郎の声が、あたりに重々しく響いた。

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きなこもち(プロフ) - ひかるさん» 観閲ありがとうございます、とっても嬉しいです! (2022年5月8日 19時) (レス) @page50 id: 869b2e483e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - すごく面白いです! (2022年5月8日 15時) (レス) @page25 id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - いいさん» いいさん嬉しいお言葉ありがとうございますm(_ _)m。マイペース更新ですが頑張りますのでこれからも見ていただけたら嬉しいです! (2021年10月19日 15時) (レス) id: 8cb9599803 (このIDを非表示/違反報告)
いい - 一瞬で心鷲掴みにされました!応援してます!頑張ってください! (2021年10月17日 9時) (レス) @page47 id: ac051c4e24 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 凌雲さん» 嬉しいコメントありがとうございます!とても励みになりますm(_ _)m (2021年9月23日 10時) (レス) id: 8cb9599803 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこもち | 作成日時:2020年4月5日 17時

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