episode31 ページ33
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「──ってわけだからよ、お前も来いよA。継子じゃねぇなら冨岡の許可もいらねぇだろ」
『……』
宇髄さんの水柱邸への訪問は相変わらず唐突で一方的で。
彼の説明を簡潔にまとめれば、次の任務でどうしても女手が必要であったために蝶屋敷へ行ったがそこで一悶着あり、結局連れてこれたのは男三人のひよっこ隊士。だがやはり心許ないと感じ、ダメもとで私の元へと来たと。
行動が流石破天荒というか何というか。やはり頭のネジが飛んでいるのではないかと感じるが、今日の宇髄さんは少しだけ余裕がないように見える。
『…私で良ければ、同行します』
了承の旨を伝えれば、宇髄さんは「助かる」と相変わらずの慣れた手つきで私の頭を撫で、それからチラリと“ひよっこ隊士”を見遣った。その視線を追えば、そこにいたのはひよっこ隊士もとい竈門炭治郎と、それから…
『嘴平くんと我妻くん…』
彼らに会うのは初めてだが、猪の被り物の少年と黄色の髪色の少年の名は炭治郎からの文によく出てきていたから。
知った名前を口にすれば、どうやら正解だったらしく、彼らは各々驚きの声を上げた。
「お前、なんで俺の名前知ってんだよ！？」
「えっ、こんな美女に俺認知されてる！！これって運命的じゃない！？」
『……』
警戒心を見せる嘴平君は妥当な態度だとして、我妻君はどういう心境なんだろうか。
何をどう言えばいいか分からずにいると、宇髄さんが助け舟を出してくれた。
「だから、口の利き方気を付けろって言ってんだろ。こいつは茅ヶ崎A、お前らの超先輩。で、水柱が可愛いがってる妹弟子」
若干の訂正がしたくて口を開きかけたところで、その声は嘴平君の歓声と我妻君の悲鳴でかき消される。
「お前、半々羽織りの弟子か！なら俺と戦え！！」
「きぇぇぇ、まって、俺今日命日なの！？」
あまりの騒がしさに、耳を塞ぐ。
それに、三人の中では静かではあるが何故かやたらと曇りなき眼で期待と尊敬の眼差しを向けてくる炭治郎。
二度目の助け舟を求めて宇髄さんへ視線を送るも、めんどくさくなったのか華麗に無視を決め込まれた。
『……』
後輩との合同任務は久方ぶりだが、前途多難な予感がして。
思わず大きなため息をついた。
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きなこもち(プロフ) - ひかるさん» 観閲ありがとうございます、とっても嬉しいです！ (2022年5月8日 19時) (
レス) @page50 id: 869b2e483e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - すごく面白いです！ (2022年5月8日 15時) (レス) @page25 id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - いいさん» いいさん嬉しいお言葉ありがとうございますm(_ _)m。マイペース更新ですが頑張りますのでこれからも見ていただけたら嬉しいです！ (2021年10月19日 15時) (レス) id: 8cb9599803 (このIDを非表示/違反報告)
いい - 一瞬で心鷲掴みにされました！応援してます！頑張ってください！ (2021年10月17日 9時) (レス) @page47 id: ac051c4e24 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 凌雲さん» 嬉しいコメントありがとうございます！とても励みになりますm(_ _)m (2021年9月23日 10時) (レス) id: 8cb9599803 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2020年4月5日 17時
