episode12 ページ14
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『相変わらずやり方が糞汚いですね』
「何のことだい?」
喫茶を出てから暫くして人気のない裏道に入り 其処で漸く首根っこを解放された
蔑む視線を送るも変わらずの胡散臭い顔で流される
『太宰さん、中也さんと通話なんてしてませんよね、私から携帯を奪ってすぐに終了釦を押したのだから』
「…なんだ、気づいてたの」
『あんな下手くそな演技で私が騙せると思ったんですか?まぁ、確証を持ったのは通話履歴が3秒というのを見てからですけど』
太宰さんはつまらなそうにため息をつく
「国木田君のお説教からも逃げてこれたし 君にも嫌がらせ出来て折角いい気分だったのに」
相変わらず性根が腐ってますね、と云おうと思ったけれど きっと此の人は笑顔でうん、と否定すらしないだろう。
喉まで出かかった言葉を引っ込め此の行為の目的を聞く
『…それで、私に何かご用件が?』
「え?別にないけど…って、待って蹴らないで!いたっ、痛いってば!」
平然と云われた答えに腹が立ち すぐ其処にある無駄に長い足に容赦無く蹴りを入れた
そして顔面めがけて渾身の
『……』
「筋は良いし其処らの男よりも君の方がよっぽと強い。只、手筋も間合いも動きの癖も…彼にそっくりだ。それじゃあ私を倒せないよ」
『…本当に何から何まで腹が立ちます』
「私も、君のそういう所は嫌いだよ」
どういう所ですか、と問えば「中也にそっくりな所」と返される
『ふふ、ありがとうございます』
「いや、褒めてないから私。はぁ…ほんとやだ。あのチビの次に私は君が嫌いだよ」
『ええ、知ってます。私も首領の次に貴方が嫌いです』
そう云えば 太宰さんは目を丸くして驚きの表情をする
嗚呼、此の人にも未だこんな顔出来たんだ
「…え、私より森さんの方が上なの?」
間抜け面をして問う太宰さんは、本心からそう聞いているのだろう。自分が嫌われている自覚があったなんて少し驚きだけど。
『首領は未だにエリス嬢が召されているようなフリルだらけの服を私に着るよう要求してきたり、中也さんと任務に就かせてくれなかったりするので嫌いです』
私の“嫌い”って、此の程度なんです。
貴方もそうでしょう?
「…君のそういう所、大嫌い」
『ええ、知ってます』
『更に云うと、私と人虎君を離させたのも知ってます』
私の言葉に、太宰さんの纏う空気が変わった
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きなこもち(プロフ) - わたあめさん» ブックマンJr.放置していてすみません。最近自分でも迷走しててどこに突っ走っているのかわからなくなり放置状態にしてました。真逆更新待って下さる方がいるとは思わず・・・。でも、とても嬉しいお言葉です!頑張って今月中に更新します!! (2017年8月17日 7時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ごめんなさい!生意気言って,,, (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ブックマンJrの少女も更新して欲しいです!! (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 赤雲蒼雲さん» 赤雲さん、ありがとうございます!とっても励みになりました!!更新とってもノロノロですが、これからも面白いと思って頂けるよう頑張ります! (2017年4月22日 19時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
赤雲蒼雲 - 面白かったです!更新頑張ってください! (2017年4月17日 11時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2017年1月2日 21時