アップルパイ (ページ3)

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お人好し野郎って分かってるよ。ページ3

Aside

後輩にお人好し野郎と言われ、否定ができなかった。

『それは仕方ないよ』

私、何で鼻声で…話しずらくなってるの？

夏喜｢あの…｣

『ごめん、多分めんどくさいと思うから関わらないでおいて』

あー、後輩の前で泣きたくない

必死で涙を堪えていたはずなのに。

『多分、目にゴミが入って…』

夏喜｢…俺、先輩見てると｣

何を言うの？

夏喜｢俺もあぁなりたい!!って思えるんです。｣

あぁ、なりたい…？

『なら、それだけでいいや。じゃあ、そのアップルパイのお礼はその言葉って思ってもいい？』

物よりも言葉の方が嬉しい。

というか、人にありがとうとか言われるの好きだし。

『じゃあね？』

そう言って、歩いて行った。

被服室に着くとダンス部の衣装が製作途中の段階で止まったままで…

この服は誰かに着て貰えるかな。

刺繍を縫うと完成なんだけど。

ボタンを縫うと、終了した。

『完成した。』

そう言うと先生にすっごい褒められた。

やっぱり嬉しいなぁ

被服室が空き、そこに居たのは

『なんで居るの。』

兄さんだった。

涼太｢何？大切な後輩に用事があったから。ついでにおまえに逢いに来たんだけど、ダメなわけ？｣

…あー、この人のどこがいいんだよ。