アップルパイ (ページ2)

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お人好し野郎夏喜side ページ2

樹｢…あ、お人好し先輩｣

そう言った樹くんが向いている方向を見ると、

床に散らばった坂東ちゃんの教科書類を一緒に拾っている。

あの先輩は良いように利用されやすい

友達関係の面でも

ある日に通り過ぎた人達が

｢あの子は何でもしてくれるから幸せ～｣

そんなこと言ってた。

たまに放課後にクラスを見てみると

1人で掃除しているけど。

何で、1人で居ても平気そうにいるのだろう。

目にまで涙を溜めながら掃除なんかしないでくださいよ。

見ていて辛くなる。

不思議だな。

こんな見ていて不安にある人なんてなかなかいないのに。

部活、行くの諦めよ。

確かこのクラスは

岩谷翔吾先輩いたな。

夏喜｢すいません。翔吾先輩いませんか？｣

そう聞くと優しく微笑み

『多分、もう部活行ったよ。翔吾の足の速さだと走ったら部室、歩いて寄り道をしてたら購買とかかな？』

そう言って後ろを向いた。

夏喜｢ありがとうござ…｣

その時にお腹がなった。

最悪。

掃除道具を片付けて…

鞄を持ってこっちに来た。

『私、食べられなかったからこれあげるよ。』

目の前に出されたアップルパイ

夏喜｢え。あ、そんな!!大丈夫っ…｣

また鳴るお腹

あー…

夏喜｢貰っていいっすか？｣

そう言うと

『もちろん!!』

お金、出さなきゃ。

夏喜｢お金、どれくらいでしたか？｣

『いらないよ。』

なんだよ。

夏喜｢…お人好し野郎｣

思わず声に出してしまった声が貴方に聞こえたのかも