見つめるな。 ページ4
宗方の読む本はミステリー系が多い。
A｢かーたーよーせー。こっちを向け｣
嫌に決まってんじゃん←
A｢もろ、口に出てるし。｣
涼太｢なんで、そっちを向かなければいけないの？｣
宗方の頭にはハテナが浮かんでいる。
A｢ごめん、周りがうるさいから聞こえなかった。もう一回言って？｣
は？
え？
そんなにうるさくはない。
幻聴とか？
涼太｢なんで、そっちを向かなければいけないの？｣
A｢うん。聞こえた。ただ、目を合わせながら話をしたいから。｣
うん。聞こえた？
宗方の耳元で聞いた。
涼太｢宗方、耳聞こえますか？｣
A｢···うん？かな？へへっ(笑)聞こえんわ。｣
耳が聞こえない？
涼太｢真剣に応えたら、目を合わせながら話をするから。｣
A｢秘密を知って、片寄は何をするの？
私のことを軽蔑する？｣
涼太｢そう言うの関係ない。｣
宗方の手が鞄に行き、中から取り出したものはガムみたいなものだった。
そして、袋から取り出した茶色の飴みたいなものをいきなり、俺の口に入れた。
甘かった。
キャラメル。
A｢心因性難聴。これ、あまり人に言ってないんだよ。だから、秘密にしてくれる？｣
心因性難聴？
宗方の顔が近い。
すごく、キレイな顔立ちだった。
涼太｢授業中、寝ている時が多いけどそれって｣
A｢聞こえないことが多いから？完治したと思ったんだけどね(笑)やっぱり、不憫だよね。｣
口元は笑っているけど目元が悲しそうな感じだった。
涼太｢それって、いつから？｣
A｢夏休みくらいからかな？｣
多分、いじめだ。
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作者名：イチゴチョコ
| 作成日時：2018年2月4日 12時
