涼太×希 ページ23
希side
今日が最後の日。
恋人として2年間、過ごせてよかった
私は彼に別れを告げる。
このまま、付き合い続けたら崩れてしまう
私と彼の間には確実に恋という感情も愛も何も無い。
ただ、欲求を満たすだけの関係
涼太「…ここって」
最後のデートは…
コスモス畑だった。
希「本当は秋の七草でも見たかったです。」
でもコスモスは今が旬だから好き
涼太「そっか。じゃ、行こっか。」
歩き出そうとする涼太くんとは別で私は歩き出す気にはなれない。
希「涼太くん。大好きだったよ。」
涼太「何いきなり。」
鬱陶しそうに微笑むから
希「なんとなく。」
そう言った。
初めは涼太くんから好きって言われたし…
私、伝えたこと無かったから
涼太「めっちゃ、綺麗だなぁ〜(笑)」
だよね。
もし、彼と別れたら私はきっと彼のいない生活にすぐに慣れる。
希「涼太くん。」
涼太「ん?」
振り向いた時に
希「今までありがとう。私達、別れよ。」
そう伝えた。
涼太「何で?」
希「だって…涼太くんにとっての私は、単なる欲を満たす女にしかなれないでしょ?」
涼太「そうだね…」
何で悲しそうな顔するの?
希「今までありがとう。楽しかったよ。恋人ごっこ。」
そう言って、私は振り向かずに前を歩いた。
その間、涙なんて出なかった。
もしかしたら、私も別れることは悲しくなかったんだ。
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美波希 | 作成日時:2020年9月5日 8時