報告会 ページ36
A side
今から報告会
総合優勝は出来なかったものの、復路新記録で復路優勝。
王者の意地だな。
1区から10区までの選手一人一人が挨拶をする。
主将の森田さんは泣いていた。
岩見さんも話すまでは普通に立っていたのに、1歩前に出て話そうとすると涙が溢れ出てきている。
岩見「自分が情けない走りをしてしまいました」
泣きながらそう言っている岩見さん。
岩見さんだけのせいじゃない。
そう伝えてあげたい。でも、何を言っても自分のせいだって思ってしまうだろう。
陸上は当日のコンディションが大きく関わってくるスポーツ
練習では上手く走れていても、本番で緊張してしまったり、何も無くても上手く走れないこともある。
でも、それを言い訳にはできない。
岩見さんもそれを分かってるんだろうな。。
無事、報告会も終了。
マネージャーも選手の元へ行く。
岩見さんはもちろん、吉田先輩も泣いていた。
そりゃ悔しいよね。
区間賞っていう素晴らしい走りをしたのに、優勝には届かなかったんだもん。
手で涙を拭って我慢しようとする先輩の元に行く。
「先輩、、」
目を合わせてくれない
「誰も悪くはないです。勝負の世界で負けが存在しないなんてそんなことありません。悔しいですけど、みなさん一人一人が頑張った結果です。来年、また頑張りましょう？」
目は合わせてくれないものの、必死で頷いてくれる。
でもまだまだ止まらない涙。
ほんとに悔しいんだろうな。。
選手ではない私でも凄く伝わってくる。
他の先輩たちも必死で慰めているものの、吉田先輩の涙は止まらない。
こんな時何もしてあげられない私はなんなんだろう
吉田先輩には今まで本当にお世話になって、辛い時はたくさん話も聞いてもらった。
たくさん慰めてもらった。
なにかしてあげたいのに、かける言葉が見つからない。
すると神林さんが私のところに来て
神林「A、吉田のところに行ってやって」
「でも、」
神林「大丈夫。そばにいるだけで安心すると思うよ」
「はい！」
「吉田先輩？」
「我慢しなくていいですよ。辛いですよね、悔しいですよね。
そんな時は我慢なんてしなくていいです。」
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作者名：千桜 | 作成日時：2021年1月5日 17時
